応援コメント

第8話 最後の勇者の最期」への応援コメント

  • 最終話、「勇者」から「人間」となったラルフのお話、拝読です!

    トライズの写し身でしかなかったと語るラルフ。完璧な聖人、勇者ラルフはそのゆえにどこか危うく、あのままではトライズ同様人間に絶望して魔王となる可能性も感じられました。人間としてすべての人を愛すと誓ったラルフですが、いまだに「救う」「人間のため」と語り、まだ「寄り添う」ことができていない? トライズのことを親自慢、ご先祖自慢しているときのラルフの思慕は非常に人間なのですが。

    サンサーラの登場。名前はサンスクリットの「輪廻」からでしょうか? なにやら退廃的な町に悪魔の影、しかしその実態は悪魔などではなく、人間、それも同族。奇しくもトライズがかつて経験したような、人間の醜さ、悪意に直面したラルフ。魔王として覚醒する寸前のラルフを止めたのはサンサーラの愛と真情。ほんとこういうのずるいなぁと。その先のラルフが生きた人生も含め、思わず泣いてしまいます。いつもながら人の心の流れを描かれるのが秀逸でした。見事「人生」を全うしたラルフにおつかれさまです。

    本編に続き、外伝も楽しませていただき本当にありがとうございました。次からはmk-2さまのほかの作品も読ませていただきたく思います。今後とも創作活動、頑張ってくださいませ!

    作者からの返信

     最後までお読みいただき本当に、本当にありがとうございました…………!!
     実は、原作ゲーム、この後日談、小説版セルフノベライズと制作してきて……当初はただただ勇者らしく潔いラルフの主人公像が作者としては好きだったのですが、色んな方に読んでもらううちに『聖人過ぎて人間的な脂身に欠ける』ということに気付きました。ロボットのように従順で、人としての欲や穢れが無さすぎると。実際創作仲間などにも読んでもらうと『ロレンスやブラックの方が魅力的』とも言われました。
     なので、脂身が少ないことに着目し、その人間性を学び、身に付けて人生を終えることに決めました。
     『生まれながらに勇者』であった彼が、『人間』になれたことで知った悪意や穢れ。ともすればそのままトライズと同じ末路を辿っていた危うさを描きつつも、そこは信実さと愛を向けてくれる人の存在が不可欠だな……と思い、ややベタかもしれませんがこうなりました。サンサーラという名前も使い古されていますが、ラルフにとっての真の『輪廻』『転生』のきっかけとなった人、ということで……。
     それでもなお人間として美し過ぎるぐらいのラルフでしたが、真に人間としての一生を全うさせてあげられたことは僕としても感無量です。
     子を成して、労働し続けて多くの親類縁者に囲まれての大往生。トライズが望んでも得られなかったものであり、当初はロボットのようにトライズの遺志を継ごうとしたラルフも、やがて人間としての心から望んだ人生を全う出来ました。晴れ晴れです。
     もう一度、最後までお付き合いくださり本当にありがとうございました。
     他の拙作もご鑑賞いただけると嬉しいです!