応援コメント

第7話 ある学者と死刑囚 SIDE セアド」への応援コメント

  • 拝読です!

    一番最初のころのセアド。「なんとしても、死んでたまるか」。本編における達観ぶりから見ると、ずいぶんとまだ完成されてなかった時期。

    房は出られても逃げることは出来ず。この王国、王様はテキトーな人物ながら地理的状況もあり、治安維持能力は相当に高いのですね。

    三者三様の犯罪者。彼らの良い面、悪い点を素直に見て、評すセアド。この当たりにセアドの大人物たる懐の深さを感じます。彼らのために残りの人生を使う、と決意するセアド。ロレンスへの世話焼きといい、案外「人のために尽くす」ことが好き?

    そしてセアドの原体験である両親との決別。まっとうでない親ながら彼らに愛されていると信じ、道具と扱われながらも尽くすことが喜びだったセアド。ああここがセアドの「人のために」の原点なのだなと得心です。信じていた両親の裏切りへの報復、そこからの転落と破滅。それでも心のどこかで「人のために尽くし、感謝される」ことを望んでいたセアドは、飄々と振る舞いながら案外寂しがり屋な人物だったのでしょうか。

    今回も長くなり、申し訳ありません。ご迷惑でなければ次回外伝のトリ、ラルフ編も楽しみにさせていただきますので、どうかよろしくお願いします。

    作者からの返信

     今回もお読みいただきありがとうございます!!
     セアド・バグズィーという男にここまで深読みしてくださると思いませんでした……! 最初はここまで意識してませんでした。
     セアドもただただ人助けをして感謝されたかっただけなのかもしれませんね。生い立ちが劣悪極まりなかったからこそ、人生の最後が決まりきってしまったことが、皮肉にも彼の『人の為に生きたい』という原体験のようなものに帰ったのかも。
     生まれが違えばそれこそ聖人の如き英雄だったでしょう。合掌。
     次回で本当にラスト。最後までお付き合いくださると幸いです。