応援コメント

「第2話 ブラック編『黒を恐れ、纏う医者』」への応援コメント

  • 拝読しました!

    天寿ですらも「死」を認められない、妄執的なブラックさん。あまりにも自分にかける責任の度が重すぎる、ウルリカ曰く「ガラス細工の脳みそ先生」。

    ブラックさん=エルヴィンと旧友フレッドの回想。「何人救えるかを競争」などと今のブラックさんなら絶対言わないであろう事を言うエルヴィン。裏返せば「何人を見捨てるか」ということですからね・・。若かりし頃のブラックさんはそこに思い至ることがなかった・・。

    フレッドの言葉。死ぬことが生きることの本質。奇しくもラルフが「最後まで生きてこそ人」と叫んだごとく。・・それにしてもこの辺りの台詞回し、戯曲的で舌を巻かされることしきりです。以前、本編の演劇回でも演劇が好きだと仰ってましたが、そちらに正式のご素養が?

    凄惨な戦争、殺してくれと懇願してくる兵士たちに、無力感と現実を突きつけられ壊れるエルヴィン。ここから白衣を捨て、「ブラック」と名乗るようになったのですね。

    フレッドとの再会。「心の病巣を癒やし、寄り添うことがなにより大事」という言葉に癒やされ、生きる道を示されたブラックさん。一度捨てた白衣を纏い、ウルリカの助けもあり、もう迷うことはないのでしょうね。読み手としてというか、心の病を抱え精神科に通う身として、この件は非常に心に響きました。親身なお医者さまの存在というのは非常に助けになるものです!

    アクションとは違う、また別の方向から心を打たれました、有り難うございます! それでは、また次話を楽しみにさせていただきます。今後ともよろしくお願いします。

    作者からの返信

     お読み下さりありがとうございます!!
     ブラックは、戦争に行くまであまりにも恵まれ過ぎていたわけですね……生まれも育ちも裕福で実力も優秀、ルックスも良い。
     だからこそ理想は現実離れして突飛な、『神へと挑んでやる』という高慢なモノへ。彼にとってそれまで自分の実力を世の中に向けて何らかの威を示すということでしかなかったのかも。
     あまりにも、あまりにも痛烈な教訓ですが、戦場に赴いて心が壊れ、立ち直ったあとも大きな歪みを抱えるほどの体験をしてようやく現実を生きられるようになったのかもしれません。

     ウルリカが傍に居ながらも、そんな悶々とした生を労していた彼のもとにフレッドの再会というのは、まさにグッドタイミング。彼にとってまたとない幸運でした。友の志が充分に理解し、痛感出来るほど成長出来た。
     これからはウルリカと、彼を頼る患者と共に医者としての業を背負いながらも、今までより幾分か幸福に生きていくと思っています。

     演劇は……20歳頃に1年程度学んだ程度です。この御時世のご多分にもれず声優なんかを淡く志したりして。病状が悪化して脆くも夢は崩れ去りましたが。
     でも、不思議とそこまで戯曲とか文学作品を真剣に、熱心に読み込んだ覚えがあまりないんですよね……ライトノベルよりも漫画寄りだったほどで。そこは我ながら不勉強で恥ずべきことだと思ってます。
     医学を志す人のことも、精神疾患についても充分に学んだとは言えず、伝わるか自信は無かったのですが……読んでくださった方何人か感想をお寄せくださり、書いて良かったと思います。
     これからも創作者同士、応援しあえたら幸いです!!