明治時代。日本のとある地方都市。

名門樫山家。

当主栄秀には正妻玲子と

第二夫人照美(もと未亡人)

第三夫人安恵(もと人気芸妓)の三人の妻がいた。

正妻との仲は冷え、

正妻と二人の妻たちの仲も悪く、

居心地の悪さから遊び歩く毎日。

そんなある日

玲子が珠里という若い箏曲の師匠につき、突然箏(琴のこと)の稽古を始める。

歳若い珠里は、名家の正妻の品格に魅了される。

芸術によって内面が豊かにまろやかになった玲子は、栄秀を惹き付けていく。

穏やかでないのは、二人の妻たち。

特に、照美は三人のなかで最も年長であるため、出来るだけ早く栄秀の子を授かりたいと熱望していた。

照美と安恵は一時協定を結び、玲子と珠里の様子を探ることにする。

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