第18話・この野菜炒めを作ったのは誰だ!…旨すぎる!

少し待つとハセガワさんが野菜炒めを持ってきて、ボクの前に置く。

「イタダキマス」

「お?レイセがしゃべったっす!」

「ほほう、進化すると体の構造も変わるらしいからねぇ、声を出す器官が人間に近付いてるのかもねぇ」

ボクは肉と、キャベツを口にする、口の中にキャベツの甘みと肉の旨味が口いっぱいに広がる。

要約すると、旨いということだ。

「あれ?レイセが泣いてるっす」

「この世界に来てやっとまともな料理だしねぇ」

「おまちどうさま~、何か泣いてるね、レイセ君は」

『とても美味しいです!』

「そうか、そう言って貰えると嬉しいよ」

◆◆◆

「ん~、これがレイセ達、転生者の料理ねぇ、とても美味しいねぇ」

私はフォークを使い野菜炒めを食べる。

「あっ、俺は味噌汁追加っす」

「あいよ~」

…ミソシル?どういう食べ物だろう、少し待つと、ハセガワは何かスープの様なものが入った器を持ってきて、タナカの前に置く。

「それはなんだい?」

「これは味噌汁っす!」

「スープかい?」

「にたようなものだよ~」

「そうかい、私にも1つ良いかい?」

「まいど~」

◆◆◆

ボクは食べ終わった後頃に、お客さんが入ってくる。

「やってるか~い、大将」

入って来たのが、フルフェイスの褌男だった。

「おっ、タナカも来てたのか」

「よっす、相変わらず凄い格好っすね」

「そりゃそうだろ、攻撃は当たらなければどうという事は無い、団長の言葉だ」

え?多分、その人転生者だよね?

「はぁ、ドゥーク…せめて服は来てこいって、言っただろ?」

ハセガワは呆れたように言う。

「ん?そこの別嬪さんはトリニアに居たね」

「あの時そういえば居たねぇ」

引き締まっている良い筋肉だな。

「お?蝙蝠も居たけど姿がだいぶ違うな?まぁ良いわ、とりあえず魚の塩焼き1本くれ」

「あいよ」

ハセガワは、厨房に戻っていった。

『…こんにちは』

ボクは褌の冒険者に恐る恐る声をかける。

「ん?蝙蝠のほうから声が?」

『師匠、声掛けた方が良いですかね?』

『んー、やめた方がいいと思うねぇ』

『そうですかー』

何か眠くなってきたなあ。

◆◆◆

「その格好でよく傭兵に捕まらないねぇ」

「そりゃそうだ、俺たち海虎団の制服は褌だからな」

「変わったパーティーだねぇ」

私はミソシルを飲んだ後、レイセの方を見てみると、レイセは寝ていた。

…可愛いねぇ、何て言うんだろう、愛玩動物染みた可愛さとどこか少女の様なあどけなさを感じるねぇ。

「…」

「ルナさんがにやけたまま動かなくなったっす」

「そっとしときなよ、そういう時は誰にでもあるよ」

◆◆◆

ドゥークside

んー、タンパク質が足りないな。

「おまちどうさま、魚の塩焼きだよ」

「おっ来た来た」

大将ハセガワが串に刺さった魚の塩焼きを持ってきて、机に置く。

そして俺は魚にかぶりつく。

魚の香ばしい風味と、熱々で塩の効いた白身が最高に旨い。

「あんたも美味しそうに食べるっすね」

俺が塩焼きを食べてると、黒髪の少年が話しかけてくる。

「あぁ、旨いからな」

俺はそう言って、冷えた麦湯を頼む。

その後少年に旅の話をしたり聞いたりした。

────────────────────食レポって、難しい。食事シーン書ける人は素直に尊敬できる。

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