第17話・野菜炒めはまだですか?
遅れて、本当に申し訳無いと思っている____________________________________________
「いやー、久しぶりに来るねぇ、マキナ」
「そういや、別のお弟子さんに会いにきたっすよね」
『シルヴァさんでしたっけ?』
「そうだよぉ、シルヴァに会いにきたのと、工房祭を見物するってのがあるねぇ、レイセには工房祭の事しか伝えてなかったけどねぇ」
でも、工房祭って何時からだろう? 夏からって行ってたけど。
「工房祭までは、後3日ってところだねぇ」
『今心読みました?』
「ナンノコトカナアー」
めっちゃ棒読みですね。
「あ!ハセガワが見えてきたっすよ!」
タナカの指を指す先に、る、看板には共通語でレストランハセガワと書かれている。
「なるほど、焔風の建物だねぇ」
美味しそうな、匂いがして、食欲をそそる。
そういや、前世ではよく料理してたなあ、今思い出すと、懐かしいばかりだ。
タナカが戸を開けると、髪を短く切り揃えた、黒髪の若い女性が料理をしていた。
「いらっしゃいって、タナカか、今日はっと、…もしかして後の女性は船長のお客かい?」
「そうだよぉ、私はルナ、そしてこっちの子がレイセだよ」
『どうも、レイセです』
「へぇー、蝙蝠が喋るなんて、あたしゃ初めて見たよ」
『驚かないのですか?』
「驚くよ、でもね、この世界来てからは全然気にならなくなったけどね」
『この世界に来てからどれくらいですか?』
「かれこれ15年くらいだね、私がこっちに来たのは10歳の頃だからね、とりま空いてる席に座りな」
タナカはカウンター席に行ったので、僕と師匠はカウンター席に座る。
「えーと、これがメニューかな?」
「おすすめは野菜炒め定食っすよ!」
「へぇー、じゃあそれにするかねぇ」
『…あの、僕はどうすれば?』
「そうだね、野菜炒めをだすよ」
野菜炒め!この世界に来て初めての料理です!物凄いお腹空きました!
◆◆◆
野菜炒めねぇ、私は料理はあんまり詳しくないけど、味付けが場所とか人で変わるんだっけ?
「俺は野菜炒め定食っす!」
「…じゃあ私もそれで」
「まいど~」
そういえば、まともな料理なんて久しぶりに食べるねぇ、いつもはファングボアの肉を焼いただけのやつとパンくらいだしねぇ。
この
その証拠に物凄く目を輝かしてる。
「ん?なんだこれ」
ふと机をみると、小さな壺みたいなのを手に取る。
「それはからしっす」
「黄色いのがねぇ、んじゃこれは?」
私は細い木の枝の様なものを指差す。
「それは箸っす」
「どうやって使うんだい?突き刺すのかい?」
「違うっす、こうやって使うっす」
タナカは器用にハシを扱う。
「世界には変わった食器も有るもんだねぇ」
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