16話・腹が…減った

「お…きた…ぇ」

「レイ…、レイセ~起きたっすか~」

お?、師匠とタナカの声がきこえるぞ?あれ?なんか首元がふさふさに?

『お、おはようございます?』

「いや、どうして疑問系なんすか」

『いや、なんか首元がふさふさしてたもので』

「それは、ゼノに進化したからだねぇ」

『2回進化すると、吸血鬼ヴァンパイアになれますね』

「そうだねぇ、それと1つ良いかい?」

そう言って、師匠が黒い虫眼鏡を取り出した。

『これは何ですか?』

「これはねぇ、鑑定眼鏡アプレェィザァグラスって言う魔道具でね、これで覗いた生き物の魔力量を測定できるものだよ」

「まるでスカウターっすね」

『あーね、それって覗く相手の魔力が多かったら壊れるんですかね?』

「壊れるよ、少しゾワッて来るかもしれないけど、我慢しな」

『は、はい』

次の瞬間物凄い不快感が体を襲う、体中の毛が逆立つほどの不快感だ。

「…よし、すまないねぇ」

『な、何ですかあの不快感』

「そりゃ自分の情報の一部を見られるんだ、不快感を感じるのも無理はないよ」

「さっきレイセの毛が物凄く逆立っていたっすよ」

『すごく気持ち悪い感覚でしたね』

「それはホントにすまなかったよ、魔力の量は明らかに増えてたね」

『ほんとですか!』

「この量なら、魔力酔いはまず起きないだろうねぇ」

それは嬉しい、よく戦闘で魔力酔いで何度死にかけたことか、それが少なくなるのはかなり大きい。

「レイセの魔法は魔力の消費が多いからねぇ、前にレッサーワイバーンと戦ってた時に、魔力酔いが大きな隙になってたもんねぇ」

『あの時は大変でしたね』

あの巨体に潰された時とか死ぬか思いました。

「あ、あのー少し良いっすか?」

「なんだい?」

「お腹が空いてしまって、マキナに着いたらご飯食べに行かないっすか?」

「良いねぇ」

『僕って血以外もいけますか?』

「いけるよ、食べたいのを食べな、タナカ、マキナの美味しい店ってあるかい?」

「それなら、レストランに行こうっす、あそこの料理は一品っす!」

『ハセガワ…転生者のお店かな?』

「そうっす、メチャクチャ美味しいっすよ」

「なら、そこで決まりだねぇ」

◆◆◆

着くまでの間僕は睡眠を謳歌していると、突然の大声で、眠りから覚める。

「おーい!着いたぞー!」

『んあ!?』

「ん、着いたようだねぇ」

師匠と僕は甲板に行く。

「お!きたようだな!今日はタナカも連れてってもらっても良いか?」

「かまわないよ、どうせそうするつもりだからねぇ」

「そうなのか?ならよろしくな!」

「よろしくっす!」

『よろしく!タナカ!』

こうして、師匠と僕、そしてタナカで、料亭ハセガワに向かった。

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