15話・つかの間の休息

タナカside

「…これがレイセっすか?」

「そうなるねぇ」

今自分の目の前に有る赤い鎖の塊、この中にレイセが居るらしい、この鎖の塊はいわゆる繭的な物らしい。

「前の進化では2時間程度でこの鎖は解けたけど、この進化では何時間かかるかはまだわからない」

「次は何になるんすか?」

「インサニアの次はゼノ…ゼノヴァンプだねぇ、姿の違いとしては、首もとに豊富な白い毛が生えてくる」

「…ファーみたいにっすか?」

「まぁ、そんな感じだねぇ」

「…」

ダメっす、会話が続かないっす、どうしたら良いんすか、早くレイセ目覚めないっすかね?

◆◆◆

2日目の朝っす、レイセはまだおきないっす。

「おきないねぇ」

「そうっすねー、これ壊すことできるっすか?」

「それは試したことはないけど、やめた方が良いかもねぇ」

「なんでっすか?」

「マグヌスモンスっているだろう?アレの繭の中身はドロドロのクリームみたいな感じなんだよ」

「それがこの鎖の繭となんの関係があるんっすか?」

「多分だけど、これの中見も同じなんじゃないかって」

「んー、自分は頭良くないんで、そういう事なんすね…話が変わりますけど、その繭のクリームはどうやって成虫にもどるんすか?」

「それはねぇ、繭の中で体が再構築されるからだよ」

「はえ~、そんな事が中でおきてるんっすね」

カタッ

「ん?何か物音がしっす」

「これは鎖の繭からだねぇ」

「虫の事話したからっすかね?」

「それで、反応するって…虫が苦手すぎないかねぇ」

◆◆◆

「がっはは!ワイバーン狩りにはバリスタが役立つなあ!」

「あまり、力入れすぎないでくださいっす!整備が大変なんっすから!」

「がっははは!わかってる!わかってる!」

「また壊したら給料上げて貰うっすから!」

「君も苦労してるんだねぇ…」

全くっす、船長が毎回壊すから、修理も整備も大変なんっす!

「よし!殲滅完了だ!タナカ!整備を頼む!」

「はいっす、うひゃ、こりゃワイヤーを丸ごと変えないとダメっすね」

「そうか!ならマキナに着いたら!物資の入手が必要だな!」

「あぁー、また出費がかさむぅ~」

「大変だねぇ」

◆◆◆

3日目っす、今日はゆっくりしてて良いと船長が休日をくれたっす!なのでルナさんから勉強を教えて貰ってるっす!…これでも前世は機械技師だったんすけどね。

「魔法義手は、着ける者の魔力を通して動かせる、慣れれば本物の腕みたいに使えるのさ」

「なるほどっす…もしもっすけど、神経に直接繋げる義手って有るっすか?」

「あるよ」

「あるんすか!?」

◆◆◆

「う!」

「どうしたんすか?…うっ!」

「鎖の繭から強い魔力を感じるねぇ…!」

「もしかして、目覚めるんすか?」

「そのようだねぇ」

自分にも分かるくらい、濃い魔力を感じる、ジャラジャラと鎖が解ける音がした後、魔力が分散する、そこは…

赤い模様、綺麗な黒い毛、そして首に白い毛を蓄えた蝙蝠が寝ていた。

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