閑話・とある暗き城の地下にて

暗い城の地下に7人の黒いローブを着た男女が円卓の席につく。

「ふむ、どうやらアビスセンティピードの一匹が殺られたらしい」

「何っ!?変異種の奴か?あれを預けたパラサイトクイーンはどうした!」

「どうやら倒したのは1匹の蝙蝠らしい」

「「「「はぁ!?」」」」

4人が呆けた声を出す。

「あのパラサイトクイーンがか?」

おどけた声をだし7人のうちの1人が言葉を出す。

「そうだわ、1匹の蝙蝠でパラサイトクイーンが倒せるの?無理でしょ?」

「確かだ、これを観てくれ」

円卓の真ん中に幻影として戦闘の様子が写し出される。

「…これは!」

朱色の魔法を放つ蝙蝠がパラサイトクイーンと接戦を繰り広げていた。

「糞っ!なんなんだあいつは血の女王ブラッドクイーンかなんかか!?」

柄の悪い黒ローブが声を荒げる。

「いや、それは違うかもしれぬがそれに近い存在かもしれぬ」

「近い存在?それは始祖か?だがあれはヴァンプ系統の魔物だぞ?」

「しらんのか?ヴァンプの最終進化のナイトメアは吸血鬼ヴァンパイアに進化できるらしいぞ」

ただの蝙蝠から吸血鬼ヴァンパイアに進化できる?

「だがあれはインサニアだぞ?まだ進化は2つ…吸血鬼ヴァンパイアをあわせれば3つある、そのうちに魔物に殺させればいいのでは?」

低い声の男が呟く。

「パラサイトを殺せるのだぞ、半端な魔物ではあいつのエサになるだけだぞ?」

「その言い分はもっともであるが、今排除せねば我らの障害になるのでは?」

「まだ続きを観ろ、ここからだ」

再び写し出された現影に目を移す。

そこにはアビスセンティピードの体内中に朱色の鎖を張り巡らせ、血を吸い上げるビッグヴァンプがいた、その光景には皆が声を出せない状態であった。

「…あの魔法は一体?」

「このワシでもしらぬ魔法じゃぞ、奴のオリジナルか?」

「恐らく、特殊技能ユニークアビリティの類いかもしれん」

「魔術を創りだすなんて、反則じみてやがる」

「これは更に調査せねば、我らの悲願の為にも」

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