第12話・新たな転生者

おぉーこれが飛空船か。

師匠と僕の目の前には帆船に翼と気球の様な

物が付いた船がある、よく創作物とかで目にする物とほとんど同じだった。


現在師匠と僕は港??とでも言えば良いのでしょうか、そんなところにいます。

ん?あの受付のお姉さん、トリニアの門で受付して無かったっけ?


「受付はこちらでーす、あ!あの時のお姉さんおはようございます!」


「おはようさん、今日はこっちの業務なのかい?」


「そうなんです、毎日日替わりで業務なので!」


「お疲れ様だねぇ、じゃこれを」


「拝見いたします、これと…これ…はい!問題なしです!」


「はいよ、お疲れさん」


師匠と僕が行こうとすると。


「あの!」


「ん?」


『どうしました?』


「わわ!しゃべった!す、少し撫でさせてもらっても良いですか?」


「レイセをかい?」


「は、はい!」


『うぇ!?僕ですか?』


「良いかい?」


と師匠は小声で言う、もちろん僕も断る理由なんてないのでOKする。


「良いってさ」


「ありがとうございます!」


お姉さんの手が僕の頭にそっと触れる。


「とても、毛並みが良いです」

「そりゃ私が毎日ブラッシングしてるからねぇ」

うんうん、ボクの毛並みが最高のままで保たれているのは師匠のブラッシングのおかげである。


あ、ヤバイ、このナデナデは癖になる。


「ありがとうございます!とても良い子ですね!」


少し気恥ずかしい気がする。


「なはは、そう言ってもらえるとこっちも嬉しいよ」


「それでは!」


そう言ってお姉さんは受付に戻っていった。


「そろそろ来る筈なんだがねぇ」


『何方がですか?』


「この船の船長だよ」


『船長が遅れるって良いんですか?』


「この船の船長にはよくあることだよ」


それ絶対大丈夫じゃないですよね?


「そんな船長でも、中々に優秀な奴なんだがねぇ」


『知り合いですか?』


「昔だが、仲間と旅をしていた時によく乗せてもらったよ」


するとうしろから、無精髭をたくわえたイケオジが出てきた。


「がはははは!久しぶりだな!ルナ嬢」


「なはは、遅いじゃないか」


「いやー、すまんすまん、カミさんに説教されててな!」


「あんまり、迷惑かけるんじゃないよぉ?」


「肝に命じておくぞ!」


すごい陽気なおじさんだ。


「お?そこの蝙蝠がお前さんの新しい弟子か?」


『はじめまして、レイセといいます』


「うおっ喋った!?」


「この子は魔女の森メルゼブフォレストで拾った子だよ」


「がはははは!そりゃー面白い!俺はゴルド・ラーバだよろしくな!レイセ!」


『はい、よろしくお願いします』


この人は良い人かも知れない。


「いつくらいはマキナに着きそうだい?」


「俺の感覚だと3日程度だ」


「よし、そんじゃ出発だ」


◆◆◆


『すごい高いですね師匠』


「そうだねぇ」


現在師匠と僕は上空1000mメルド位の所にいます。


「ルナ嬢もし襲撃が有った時はよろしくな!」


「はいはい、この辺の空には何が出ると思うレイセ?」


『この辺りの空だと、アビスセンティピード、レッサーワイバーンだと思います』


「正解だ、それじゃアビスセンティピードはどういう魔物だい?」


『百足型の魔物で黒い甲殻、多数の赤い目、長さ100m超の魔物です』


「がはははは!正解だレイセ!賢いな!」


『ありがとうございます、でもここら辺は危険じゃないんですか?』


「ものすごく危険だ!」


即答!?


「ワイバーンまではどうとでもなるが、アビスセンティピードはどうにもならねぇ」


「だから私がいるのさ」


『師匠が?』


「そうさ、ルナ嬢はアークワイバーンの群を壊滅させることが出きるからなあ!」


この間戦ったけど死ぬかと思うほどの奴をですか!それも群れを!すごい!


「まじすか!?」


うしろから驚きの声が聞こえる。


「お?タナカじゃねーか!バリスタの整備は終わったか?」


「終わりましたっす!」


「お?君がゴルドの言ってた転生者かな?」


「どうもっす、リョウタ・タナカっす」


「私はルナ・アルケインだよぉ」


え?転生者?タナカ?


『転生者?』


「こっ蝙蝠が喋った!?」


『あっどうも、レイセといいます』


「ど、どうもっす」


「タナカで良いかな?」


「それで良いっす」


「レイセは君と同じ転生者だよぉ」


「え?まじっすか?」


『はい、転生者です』


タナカは空いた口がまだ閉じていない、そりゃ蝙蝠が転生者なんだもん、しょうがないね。

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