第11話・鷹の翼

師匠によるとトリニアはルドベキア大陸のなかでは一番大きい要塞都市らしい。

トリニアの中には色んな人がいた、大きな箱を背負った人や、赤いサーコートを着た衛兵や、褌に背中に2m位の大剣使い…ん?なんかおかしいのいたぞ?変態か?


「あれも一応冒険者だよ」


『そうなんですか?』


「そう、冒険者の中には脳が筋肉でできてる奴とかもいるからねぇ」


『もってる武器にたいして防御が貧弱すぎる』


「あの武器は…グレートソードとでも言おうかね」


『まるで鉄塊ですね』


「時々セスタスもった奴とかもいるからねぇ、そいつはあの裸族の中でも中々の実力者だねぇ」


『セスタスだけとか、とんだ変態もいるものですね』


そう言うやりとりをしてる合間に今日泊まる宿に着く、結構大きめで、名前は…読めないです、今度文字とか教えてもらおう。


宿に入ると白髪の男性が出てきた。


「とりあえず、従魔と泊まれる部屋1つ」


「かしこまりました、70000ゼインになります」


未だに、1ゼイン何円かがわからない。


「あいよ」


こうして師匠は懐から金貨を取り出す。


「はい、30000ゼインのお返しです」


金貨1枚が100000なのね。


「お部屋は103号室となります、最近は魔物の動きが活発になってますので外にお出掛けになる場合は、お気をつけください」


「ありがとさん」


「では、ごゆっくり」


そして部屋に着き。


『あの、師匠』


「なんだい?」


『従魔の存在って一般的何ですか?』


「結構いるよぉ、けどヴァンプ系統とかは一般的ではないけどねぇ」


『そうなんですね』


「ウルフ系は多いけどねぇ」


「ウルフってことは?狼ですか?」


「そうだよぉ、統率がとれて扱いやすいらしいからねぇ」


『そうなんですね、魔物の種類とか色々教えてくたさい!』


「良いよぉ、知ってることなら何でも教えてあげよう」


今後もよろしくお願いします、師匠!


◆◆◆


三時間位後

「スパイダー系統の進化先も多くてねぇ特殊な進化によっては龍と同じくらい強くなるからねぇ」


『スパイダー系も侮れないですねぇ』


◆◆◆


更に三時間

「ゴブリンは中々に侮れなくてねぇ、数も多くて無駄に頭がいいからねぇ」


『そういえば、初めて見た魔物がゴブリンでした』


「私が殴り殺したやつだねぇ」


『あの時はめっちゃ怖かったです』


「小屋の壁壊されたからねぇ」


六時間程魔物の知識を師匠から学び、僕の頭には魔物の知識が物凄い量になった。


今では魔物の特徴のクイズみたいなのをやっている。


「では問題、ナイトスパイダーの弱点は?」


『関節と腹です』


「正解、すごい記憶力だねぇ」


『なんか、前世より記憶力が上がりました』


「それじゃ次は字を覚えてみようかねぇ」


『それは助かります、人の姿になっても文字が読めなきゃ暮らして生けませんからね』


「だねぇ、読み書きは大事だよぉ」


◆◆◆


四時間後


「…マジか」


『やりました!』


「いくら記憶力が良いからって…」


今師匠は絶句している、その理由は僕が文字を全てマスターしたからだ。


「ほんとレイセにはおどろかされるよ」


師匠の語尾が無くなるほどビックリしている。


「もう、朝か」


宿に備え付けてある時計を師匠が見る。


「眠気は無いとはいえ、疲れたねぇ」


『疲れましたね』


「しょうがないね、教育は大事だからねえ」


『今日出発ですよね?』


「そうだよぉ、今日は飛空船で『飛空船!』


「そうだよぅ、飛行船が楽しみなのかい?」


『もちろんです!飛空船なんて浪漫あるじゃないですか!』


「確かに戦艦とかは浪漫だけどねぇ…楽しみそうだねぇ」


『目茶苦茶楽しみです!』


「それじゃチェックアウトしてくるからまってな」


『はい!』


◆◆◆


私は誰もいないカウンターに設置されているベルをならす。


「チェックアウト頼みたいのだけどねぇ」


その後、奥から「はいはい、ただいま」

という老人の声が聞こえる。


「お待たせしてすみません、ではチェックアウトですね」


こうして、老人はチェックアウトの手続きをしている。


「お疲れのようですが、どうされましたか?」


「弟子に座学を教えていたんだよ」


「蝙蝠にですか?」


「そうだよぉ、呑み込みの早い弟子で助かるよ」


「そのようですね、お疲れなのに楽しそうな顔をしていますから」


「なはは、あんたにはわかるのかい?


「えぇ、あの時と同じです」


「またこんど酒でも飲みながら思い出話をするかねぇ」


「貴女は歳をとらないから、飲めるのですよ?最近は一杯でもきついのに」


「私は良いんだよ、魔女だからね、それにしてもあんたは昔から下戸だもんねぇ」


確かに私は200年以上生きているが外見は20代のままだ。


「はい、では良い旅を」


「ありがとさん」


私はレイセを念話で呼ぶとすぐに飛んできた、よっぽど飛空船が楽しみなのだろう。


『ではいきましょう!』


「はいはい」


そして私とレイセは飛空船乗り場へ向かった。

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