第10話・要塞都市トリニア

暇です、とても暇、大事なことなので二回言わせていただきました。


現在、師匠と僕はとても長い行列に並んでいます、トリニアに入るための検問らしいです。


本来なら師匠の冒険者手帳でトリニアにスムーズに入る予定だったのですが…


「え?ギルドカードの更新をしてないから、一般人用の所に入れ?」


はい、師匠が珍しくドジってます。

「確かに、更新したの3年前だったからねぇ

とのような感じで師匠はへらへら笑ってます。

パッと見ですが、前に並んでる人は50人くらいです。


多くないですか?沢山の人の匂いがしてます。


ん?後ろから邪な気配が。


「お?美人な姉ちゃんがでかい蝙蝠連れてるぞぉ」


「ほんとだ、そこのお姉さ~ん」


「…何かようかい?」


うわ、明らかにチャラそうな奴らが、しかも師匠が明らかに不機嫌に…ヤバイですとてもヤバイです。


しかも酒臭い。


「俺達~3級ベテランなんだよお~」


「そうなんだよ~、俺たちに着いてくればすぐに入れるぜ~?」


「遠慮させていただきます」


「つれねぇなぁ~」


「お?着やせするタイプだね~」


あ、師匠の胸に手を、もう許せません、セクハラはいい加減にしてもらいたい。


「でけー蝙蝠だなぁ、君のペット?」


イラッときました、誰がペットだ!しかもなんだその喋り方、めっちゃうざい。

でも我慢だ、ボクが何かして師匠が入れなかったらいけない。


すると師匠が頭の中に喋りかけて来ました。


『レイセ、やって良いよ』


『師匠の言葉が頭のなかに?』


『念話だよ、君も使いなれてるものだろ?、殺さなきゃ良いから』


『わかりました!』

さーて、師匠の許可が出たし、お二人がた、お楽しみのお仕置きお時間でーす!

なに使おうかなぁ♪


「あれ?何だ突然眠気が…」


「おい、どうし、た…」

僕はこの二人組に【悪夢の囁きナイトメアウィスパー】を使い、悪夢の中に誘う。


二人組は突然苦しみだす。


「うわぁ!くるなぁ!!やめろ!!!」


「うぅあぅ、やめろ!痛い痛い痛い痛い痛い!

うああぁ!!!」


僕の魔法【悪夢の霧ナイトメアウィスパー】は指定した相手に、見せたい悪夢を見せる魔法であり、耐性の無い生き物なら無条件で悪夢に落とすことができる魔法だ。

分類としては幻惑に入る。

何気に恐ろしいのが、毎日かけ続けると、精神を病むという効果をである。


「さ~て行くかねぇ、誰かが衛兵を呼んでくれたらしいからねぇ」


前の方から衛兵が五人位走ってくる


『前がとても進んでますね』


「あの魔法は君の魔術創造スペルクリエイトの産物かな?」


『はい、変な奴に絡まれた時に使おうって感じで造った魔法です、まさかここで使うことになるとは思いませんでしたが』


「なはは!、まさにそうだねぇ」


「次の方どうぞ」


三時間位経って、やっと呼ばれた。

門を潜る前に、カウンターのような場所から受付嬢とでも呼ぼうか、エルフ耳のベレー帽のお姉さんが出てきた、ちなみに名札は読めない。


「お待たせしました、お持ちの書類を拝見いたします」


「はいはい、えーと、この書類とこれと、あと従魔同行の許可書、よし、毎回お勤めご苦労様だよ」


「いえいえ、こっちこそお待たせしてすみません…えーと、ルナ・アルケイン様と従魔のレイセで合ってますか?」


「合ってるよ」


「はい、不備は無かったのでお入り下さい」


大きな門の扉がゆっくりと開いた。


壁の中はとても賑やかで、そこらに食べ物や雑貨を並べた、露天が並んでいた。


「宿はなるべく早くとらないとだから、少しいそぐよ」


『はーい』


◆◆◆

受付嬢ニア・ロミエルside


よし、あのあの蝙蝠を連れた女性で最後でしたね、にしても美人だったなぁ、うしろの従魔ちゃんも可愛かったし、でも何で魔術の歪みをあの従魔ちゃんから感じたんだろ?ナトゥーラ緑の都でも感じたこと無かったけど…まぁ良いか。

あの毛並み、さわってみたいなぁ。

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