閑話・とある冒険者の報告
城塞都市へ続く公道を右腕を失った冒険者が歩く
「はぁはぁ」
彼女は顔見知りの冒険者が歩いてるのに気づく。
「ん?ナオか…て、おい!お前右腕どうした!」
「…に」
「は?」
「早くギルドに…!」
ふと、彼女の意識が薄れ、倒れる。
「おい!しっかりしろ!ギルド、ギルドに連れて行けば良いんだな?わかった、それまでに死ぬんじゃねーぞ!いいな!」
◆◆◆
今日の昼頃に、2級冒険者のナオ・レイガーが右肩から先を失った状態で運び込まれて来た。
彼女は友人の冒険者に運ばれてきたらしい。
【
管理者ダンジョン
今は執務室にて、机を挟むように座っている。
「君は、何故
「……」
「弁解は無しか?、ちゃんと話さないと、わからないだろ?」
「力試しをしたかった」
「は?」
「
「…はぁ」
思い上がってた、てっ事か。
馬鹿なんじゃないのか?級が上がったからって強くなることは無い、上がりたての冒険者の死亡率が高いのはこのせいだろう。
「…まぁ、処分は後で下すとして、その肩はどうした?あの森にそれだけの魔物はいないはずだが…魔女に挑んだとかではないんだな?」
だとするとこの街1つが無くなるかもしれない。
「もちろんしていません、ですがビックヴァンプに挑んだんですが見た事の無い魔法を使っていました」
「見た事の無い魔法?」
「はい、血のような色をした魔法撃ってました、あたった次の瞬間には私の腕は千切れていました」
「血のような…」
血のような?
そんな魔法聞いたことも、見たこともないぞ?
俺が、知らないだけかもしれないが。
あとで、ルナ様に聞いてみるか。
「どうしました?」
「いや、何でもない。まぁ降格処分は覚悟しとけ」
「はい」
「えらく、聞き分けがいいじゃないか」
「降格が決まってるのに、ごねる必要有ります?」
「はぁ…ここで真面目か返されてもなぁ、まぁ今後降格されないように、気を付けろよ」
「善処します」
◆◆◆
俺は執務机から、帝国製の電話?とやらを取り出し、耳につける。
「夜分遅くに、すみません」
『いいよ、いいよ、別に睡眠は必要無いからねぇ、そういえば私のダンジョンに冒険者が侵入したそうじゃないか、うちの弟子が交戦してたよ』
「えっ!?弟子ができたのですか!?」
『そうだよぅ』
弟子と交戦?ビックヴァンプじゃないのか?魔物を弟子にということか?どういう事だ?
「それは、ビックヴァンですか?」
『よくわかったねぇ、あの冒険者からきいたのかなぁ?今はインサニアヴァンプだがねぇ』
「進化済み!?」
『まさか、ブラッドをすっ飛ばして、進化するとはねぇ。
あの、冒険者が逃げてった後、後レッサーワイバーンが襲来して、大変だったよ、まぁ、その後うちの子が血を吸い付くして存在進化したんだよね』
驚きと困惑で言葉が出ない。
『いやー、この私でも、あの子の成長の上限が見透かせないよ』
ルナ様は、なははと笑う。
そのうち、吸血鬼に進化するんじゃない?と、冗談混じりで言っていたが、外れていないのかも知れない。
『そんじゃ、また今度リベロ』
「…はい」
こうして、電話は切れた。
キリキリという音がなり、胃に痛みが走る。
胃が痛いです、ルナ様…
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