第20話 エクソシストに俺はなる!
「大事なものじゃないんですか?」
「大事なものだけど、世里奈ちゃんが大事にしてくれるならそれでいいよ。俺もいくつか他の指輪も持ってるし」
「ちゃんと大事にします! てかおばあ様霊能力者って本当ですか?」
「うん。確かに俺が小中学生のときはうちに近所の人が除霊とかお願いしにくるの見たことあるし、俺も散らすくらいならできるよ」
空太郎さんが手で銃の形を作って見せる。
「あのときも銃でやっつけてくれましたもんね!!」
「銃がちゃんと見えるのは世里奈ちゃんの霊能力も高い証拠だよ。普通の人には俺が謎に手で銃作ってバンバンしてるヤバイ奴にしか見えないから」
「おばあちゃんができたってことは空太郎さんも除霊とかできるってことですか?」
「どうかな」
「散らすことができれば除霊もできそうですけど」
「かもね」
「……! いいこと思いついた!」
「なに?」
「空太郎さん、エクソシストになりましょう!」
「エクソシストって俺よくわかってないんだけど」
「検索したら『エクソシスト』って映画があるみたいですよ。一緒に見てみましょうよ」
* * *
「おじゃましまーす」
成り行きで空太郎さん家に来てしまった。
考えてみれば1人で空太郎さんの家に上がり込んだことはなく――。
「あれ、世里奈さんどうしたの」
宙に涅槃像のように浮かぶユキトくん。
1人じゃなかった。
「ユキトさー『エクソシスト』って映画知ってる?」
「知ってるけど」
「それ見ようかと思ってさ」
「いややめといたほうがいいって。せめて『コンスタンテン』にしときなって」
「こ、こんすたんて……?」
「これだよ」
アマソンプライムのなかにある映画を指差すユキトくん。
「あー、見たことはないけどなんかこのパッケージは知ってるかも」
「俺も見たことないなー」
「こっちのが大人数視聴にはいいんじゃない?」
「ユキト、さんきゅー」
3人でテレビ画面を見つめる。
男の人が好きそうな、なんというか厨二病チックな世界観が画面のなかで繰り広げられる。
「かっけー!!」
興奮して画面を見る空太郎さんの姿を横目で眺めながら映画をみる。
たまにはこうやって家で皆で映画を見たりするのも悪くないなとかそんなことを思っていると、あっという間に映画は終わった。
「俺やっぱりエクソシストになるわ」
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