第11話 仕方ない。助っ人と呼びに行くか。

「リリオ、黒魔王に伝達だ」

「よしきた!」


りぃちゃんが黒さんに伝達をすると黒さんは無言でメガネの顔に火の玉を投げつける。

メガネは突然の火で熱さと苦しさに溺れる。

「続きは後だ。覚悟をしておけ」

そう言って顔面の火を足で踏み消す。


「リリオ、僕は何をしたらいいの?」

「魔王さんと黒魔王さんでここから私の指示する場所に光の剣を飛ばしてやっちゃってください!」


「成る程ね。もう一人の僕の用意はいいの?」

「僕こそいいのかい?」

黒さんと王様は早速バチバチだ。


「ふふ、じゃあ黒魔王さんと魔王さんでどっちが先に指定された粗暴神を気絶させられるか勝負ですよ」

りぃちゃんが嬉しそうに言う。


「へぇ、楽しいね」

「いいね。やろうよ」


「ちなみに見つけた連中はこんな感じです」


りぃちゃんが見せてくれた映像では1人の痩せ型の粗暴な神はまだ幼さの残る神に因縁をつけていじめていた。

もう1人の少しふっくらした粗暴な神は他の神にアートを泣かせた事を自慢していた。


「どっちも最悪だね」

「リリオ、早く始めの合図頂戴よ」

王様と黒さんが待ち遠しく言うのだが我慢できない人が居た。


「許さん!【エレメントソード】」

テッドは我慢できなかったようで火の剣を飛ばしてしまう。


「テッド!?」

「くそっ!【アーティファクト】!」

「「革命の剣」よ!【アーティファクト】」


テッドが出した16本の剣は8本ずつに分かれて粗暴の神を痛めつけて行く。


そこに追いつくように痩せ型の方に黒さんの剣、ふっくらした方に王様の剣が飛んでいく。


攻撃の間もりぃちゃんの実況と看破の映像が見える。

「痩せ型の粗暴神はとにかく自分より弱そうな相手を虐めて喜ぶ神ですね。

ふっくらした方の粗暴神はとにかく心がねじ曲がってますね」


「え?リリオってそこまでわかるの?」

「はい。ジィマ様からも看破神と名乗っても良いと言われましたよ」

りぃちゃんがエッヘンと胸を張る。


「へぇ、じゃあこの後で面白い事をしようか?」

黒さんがりぃちゃんに話しかける。

「この後ですか?」


「うん。とりあえずチトセ達はここを掃除しておいてよ」

「はぁ?なんで?」

私は王様から急に言われて不機嫌になる。


「ここにアートを呼んでここでメガネに心から謝らせるんだよ。

流石に血まみれだとアートは優しい子だからそれだけでメガネを許しちゃいそうだろ?」

「なるほど。確かにそうかもね」


「じゃあお魚パーティーしようゼーッ!」

突然お魚さんがとんでもない事を言い出す。


「何それ?」

「アートにお魚の美味しさを教えてあげるんだゼーッ!」

お魚さんが嬉しそうに身振り手振りで言う。


「そうだね。もうお昼時だもんね。じゃあそうしようか」

黒さんが楽しそうに言う。


「オッケー!じゃあちょっと日本海まで行ってくるゼーッ!待っててくれヨー蟹さんにイカさん!サバさん!」

そう言ってお魚さんが消えると戦神が「千歳、片付けようか」と言って動き出す。

戦神ってこういう時の順応性が高くなったよなぁ。

そんな事を思いながら片づけをする。


「チトセ…」

「あ、複製神さん達も皆で食べようよ!」

そう言うと複製神さんは嬉しそうだ。


「ありがとう。隠匿神達も…」

「うん。呼ぼうよ。お願いしていいかな?

後は沢山魚が必要な事をお魚さんに教えてと…。

おーい、お魚さーん。超大人数になったよ。

何?折角の美味しいお魚が皆に食べて貰えて嬉しいの?

え?今から海流に乗って南のほうに行って素潜りでカジキと戦うの?

期待していいの?

んじゃよろしくー」


「千歳」

そこにナースお姉さんが先輩お姉さんを連れてくる。


「あ!先輩お姉さんもお疲れ様。後であのメガネを治してくれるかな?」

「それはいいわよ。ただその前にね」


「へ?」

「1人いじけているのが居るから迎えに行ってよ」


「あ。地球の神様だね。仕方ない。助っ人と呼びに行くか。戦神、ここ任せてもいい?」

「構わぬぞ」


私は後を戦神達に任せて瞬間移動をした。

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