めぐのお父さん

そんなふうに、お父さんが

優しかったので、めぐは

お父さんを嫌いにならなくてすんで

よかた、と思っている。

お父さんに、怒られた記憶が

ほとんどないからだ。

それは、やっぱり

お父さんが、めぐのことを

可愛がっていてくれたから、

なんだろうな、って

いま、すこーしだけ

大人にちかづいて

めぐは、そんなふうに思う。



図書館で、小さな子が

泣いているのを見かけて、

お母さんに叱られて、泣いてる。


そんな情景を見かける時、

かわいそう、って思うことが多かったりする。


それは、子供の気持ちが

なんとなく、想像できるからで

思いのまま、気のむくままに

遊んでいたい、って思ってて。



そんな時、お母さんは

3次元的な、日常のスケジュールに追われて。


それで、子供の自由な感覚、4次元的なそれを

3次元に合わせようとして、

いらいらしたり。



そんな構造が、おぼろげに

わかってきたのも

めぐが、ルーフィと会って

時間旅行のお話を聞くようになって。


物理学、を

勉強するようになったから、かな?



なんて、思ったりも、した。



めぐのお父さんは、幼いめぐに

いらいらしたりしなかったのかなー

なんて、思ったりしたけど



いつも、にこにこしていて

のんびりしているおとうさんは


おばあちゃんに似てるのかなー、

なんて、そんなふうに思う。



おばあちゃんは、おとうさんのことを

「やんちゃな子だったのよ」

って、お庭のおおきな木に登って

おりて来ないで、夕陽を見てた事、

2階から、トランジスターラジオを

落として。

ラジオがかわいそう、って

ずっと撫でて、ごめんね、って

泣いてて。


それがきっかけで、ラジオを修理する事を覚えた、こと。




いろんな思い出を、話してくれたけど


いまのお父さんからは、想像できない

優しくて、行動的な少年、どことなく

ルーフィに近いのかしら。



そんな事を思うと、ルーフィがいつか

お父さんみたいにまんまるに

なちゃうのかな(笑)なんて


その絵を想像して、おかしくなっちゃって

笑ったりしたり。



ひとりで、笑ってると


だれかがみたら、変、かしらってちょっと恥ずかしいけど。



それも、めぐの心が

自由に、4次元的に飛翔していて

それは、ちいさな子供の心が

自由なのと、そんなに

かわらないような。



そんな気がして、それもまたちょっと

はずかしくなっちゃう、めぐ、だったりした。



お父さんもそうなのかしら?w




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