恋と記憶

お父さんは、お母さんと

どんな恋をしたんだろう、なんて

中学生の頃に、聞いたっけ。

めぐは、なつかしく

思い出に浸ったり。



そんなことを思うのも、

恋って気持ちがちょっと不思議だった

そんなせいもあるのだけれど。


とつぜん、だれかが気になって。

いつも、その人の事を

考えたり。


それって不思議だな、って。


めぐにとって、ルーフィは

別世界の人だから、いつかは

お別れすることになるんだろうけど。

でも、好きな気持ちは

計算してするんじゃないもの。



そんなふうにも、めぐは思った。



それは、にゃご、いまは

にゃごになっている、元悪魔くんも

同じだった。


本当なら、魔力を手に入れていたのに


それを捨てて転生した、悪魔くんも

やっぱり、好き、と言う気持ちのままに

行動している、のだろう。



もちろんその事を、めぐは

たぶん知らない。


なので、図書館のお池で

にゃごが大活躍した意味も

どうして、子猫が

そんな事ができるのか?も

わからなかった。


とりあえず、めぐのそばにいる

にゃご、は


ふつーの子猫にしか見えないから

「見間違いなのかなー」


なんて、にこにこしながら思ったり。




土曜日の図書館も、そろそろ

終わり。



いろいろあったなぁ、と

すてきだった一日を、思い返しながら。



映写技師さんも、思ったよりは

怖くなくって、よかったし。


でも、改めてデート、は

ちょっとご遠慮したかった。


やっぱり、ルーフィが好きだもん。



心のなかで、でも「ルーフィ」って

さん、なしに呼んでみると

どきどきした。



恋人になったみたいな、そんな気がして。



それは、ファンタジー、なんだけれど、

そういう時間って、楽しくて

いつまでも、心のなかのルーフィと

恋していたかった。



不運なことに、(笑)

ルーフィは、いつもそばにいるので

本物を目の前にしていると

やっぱり、夢想には浸れないので



ひとりで恋してるのも、いいかしら。



そんなふうに思う、めぐには

なので、映写技師さんみたいな

現実のおつきあい、は

まただちょっと早いのかな。?




そんな感じかもしれなかったり。



曖昧な、そんな季節は

駆け足で過ぎていってしまう。


めぐ自身が、そう思えば

いつでも、その季節は

過ぎていってしまう。




なので、「のんびりでいいの」と

めぐは思ったし、司書主任さんも

そんな、めぐを

大切にしてくれていた。




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