おさな子のように

児童図書室で、子供の叫び声が上がったので

めぐは、ちょっと様子を見に行った。


気になっただけで(笑)でも、そういうものだ。


児童心理を学んだ係員が、そこにいるから

行かなくてもいいんだけど。



とっとこ、とっとこ。



様子を見ると、絵本を取り合っている(笑)



子供ってそういうものだけど


その声がうるさいと、大人の図書館利用者から

クレームが来る事もあって。


そんな時、「昔は別の建物だったので良かった」と

言われる事もあったりもする。


その時、クレームをつけた人のイメージには

過去の図書館、4次元空間のそれと

目前の3次元空間の、いまの図書館が

浮かんでいて


それを比較して、過去が良かったと

結論している。



だけど、過去に戻そうなどと、誰も思わない。

できない、からだ。




以前、ルーフィが言った「認知」で


例えば、夢を見ている時はどこが現実か、は

わからない。


現実、と分かるような、眼、耳、鼻、触覚などの

情報がないから。



それと似ていて、年を取って

のんびりしすぎた人、に


どこが現実か分からなくなる事もある。


認知症と言われる。



でもそれは、例えば死が近づいて

それを怖れなくなる為にある機能、などと

言われてもいる。



赤ちゃんで生まれて、夢の中のような

イメージから、

自分が誰で、

ここがどこで。


そういうもの、3次元的な時空に

自分がいると認識するまでは


その、曖昧な時空に皆、生きている。



だから、絵本をほしいと、ふたりで同時に思うと

取り合いになる(笑)。



自分の欲に従っているだけで

お互いに、相手の事など考えないから(笑)。



大人になると、理知的になるから

そういう事はない筈。


でも、なぜか

国を動かすようになると


国の為、と嘯いて

他の人や国から、金銭を掠め取ったりする。



それは、客観的には


幼児が絵本を取り合うのと変わらないレベルで



少なくとも建国の頃は、そういう政治家は居なかった。


理由は簡単で、選挙で多くの支持を集める為に

お金儲け主体の団体に協力を仰ぐから、だ。



結局、それも欲、必要もないのに

金銭を余計に取って、贅沢や無駄遣いをしたいと言う


結局、幼稚な自己顕示欲、幼児レベルの心が

それを行わせているから



欲、それを抑制すればいいのだろうと

ルーフィは考えた。







絵本の取り合いをしているふたりの男の子に

めぐは「どうしたの?」と

にこにこと、しゃがんで話しかけた。



ふたりとも、半分泣いている。


相手が憎いんじゃなくて、絵本が読みたいだけなのだ。




「借りてくの?」と言うと



ふたりとも、うん、と頷く。


男の子は、はっきりしていてかわいいと

めぐは思った。



本のタイトルを見ると、複数蔵書がある本だ。



「ちょっと待っててね」と、めぐは

カウンターのコンピュータで本の在処を調べ


他の一冊は、返却カウンターのカートにある事がわかり



もう一冊をたして、2冊をふたりにそれぞれ、手渡す。



ふたりの男の子は、喜んだ。


ありがとう、と

拙い言葉でめぐ、に伝え



ふたりの、母親たちも笑顔で、ありがとう、と

礼を述べて、貸し出しカウンターへ向かった。




「チャイルドマインダーみたい」と、児童図書室の係りは

めぐの所作を見て、楽しそうに言った。




「いいえ、わたしはなにも,,,,図書係ですから」と

めぐは控えめに微笑んだ。


児童図書の返却は、めぐの担当ではないけれど(笑)



それでも、坊やふたりが

本を好きで居てくれるといいな、と

めぐは思っての事だった。




欲を以て相手とぶつかり合う事を避けるのが

知性であり、情報である。



国の司る人も、そういう視点になれれば,,,,



めぐの場合は、母性的な優しさで

行動が起きて。


その時、彼女にはオキシトシンが作用している。

神経内分泌学的に、そう言われていて。


ルーフィはそれで、オキシトシンの作用を

政治家たちに与えようと

魔法を掛けた−−−



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