「でもさ、目の前で誰かが命を失うかもしれないって時

助けるでしょ、だいたい」と、ルーフィは言う。


にこにこと。



「それはそうかもしれないけど、自分がそれで死にそうに

なるなら、助けたりはしない、って

その程度の計算はするわ(笑)」って、わたしは正直に言う。


「それが普通だよね」と、ルーフィ。



生き物は、皆

自分の生命が最優先、仲間の命はその次に大事。


それは、動物だった頃からの記憶だろう。





「だから、めぐちゃんと天使さんを、僕は助けたいって思ったのさ。」と、ルーフィ。



「ちょっと力不足かも」なんて、言いながら(笑)



クスリの利いてきた政府(笑)は


消費税を上げずに、税収増加に期待する政策を取った。

元々、消費税を上げる条件に、景気回復があったので


景気が回復するのを待ってから、と

穏やかな表現で、争いを避けた。



政治家の中には、国民を虐めても

お金をかすめとりたいと思う人も多く


この、政府の姿勢、心変わりを

不快に思って


強大国アメリカの力で、政府決定をねじ曲げようと

する者も居たり。


大陸の他国、列強の国々に近づいて

圧力を求めたりした。




それで分かったことは、国会議員の多くが

お金儲けの為に政治をしている、と言う事だった。


選挙で当選する為に、企業などを通じて

投票を募ったのだから、当然だった。


儲からないと、会社経営者は

株主たち、役員たちに責任を問われるので


意味不明でも、お金儲けを最優先にした

経営になってしまう。


その結果、社員たちへの報酬を減らしたり

雇用を減らしたりしても

利益を増やそう、と言うような

そういう身勝手な経営になっていった。



それもやっぱり、ひとの心に潜む欲望のなせる技で

自分が社員の立場になってみれば、そんな事は

できない筈。


なので、オキシトシン治療が有効である(笑)



その欲望は現実的でない、と

認識させれば良いのだ。





困っている人が居ても、自分さえ儲かればいいと言う

そういう考えは、優しい気持ちからは生まれないもの

なので

優しい気持ちになるためのクスリを、投与する

割とハードな解決法をルーフィは、選択した。







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ルーフィの目的



ルーフィの目的は、政治を変える事ではなく

ただ、欲望が過剰な人に潜む悪意を

なくす、と言う事だった。


欲を減らせば、悪魔くんが食べていってくれる(笑)


でも、いずれは

食べ物が無くなるから、悪魔くんは来なくなる。


それで、時空の歪みは減っていって、いずれは

無くなるだろう。



そんな風に考えていた。




この国の政府要人には、クスリが利いたらしく(笑)

少しづつ、世の中は良くなっていくような

そんな感じだった。


政府銀行に政治介入するなら、と

銀行法を改正、政府補償をつけた。

代わりに、政府が一時的に経営介入する事とし

融資が得られず倒産するような企業の発生を防止。


次いで、労働基準法を改正。

労働賃金の中間搾取を全面禁止した。

戦前の水準に戻った訳で、不安定

な雇用のせいで、たとえば

リクルートさんのように、罪もない人が

自殺を考えるような状況は、少なくなる。



そして、人材派遣会社の代わりに

国が、無償で人材派遣事業を実行。

法令を守らない事業者を一掃する事もでき

なにより無償なので、企業にとっても有り難い存在になる。


仮に、仕事が途切れてしまっても

そこは国の機関なので、公共の仕事が

いくらでも都合できる。



代わりに、雇用保険、失業給付を

本当に困っている人だけに限った。


生活保護も同様である。





そして、時代に逆行するような政策だが


郵政3事業、専売、鉄道、電力などの事業に

政府が介入、公共事業資本を投入する代わりに


雇用、政府人材バンクの人間を活用させた。




なかでも、電力は発電、送電を分離させ

送電ネットワークの保守に資本を投入。


ソーラーパネルを公共施設に無償設置し

また、個人住宅でも無償貸与とした。



発電所で大量に電気を作らず、需要地で作り

ネットワークで電気を融通しあう方策である。



超伝導磁気浮上高速鉄道の敷設に並行し

超伝導直流送電線を敷設。


風力発電などからの電力、地熱、波力、水力などの

電力をこれで、低損失で電送する事で


原子力発電を廃止する。



等々(笑)画期的なアイデアで


この国の雇用は増え、景気も浮揚していった。

それは当然で、既存のアイデアを活用しただけ、で


いままでは、そのお金が、一部のお金持ちや

アメリカなどの大国にかすめとられていた、だけ。




「いつまで、クスリが続くかなぁ(笑)」と、ルーフィは

思った。



平和が続くなら、もう、悪魔くんに助けてもらわなくても

人間の欲が増長する事はない。


金銭欲よりも、名誉欲よりも


ひとを愛し、慈しむ事の方が

流行していけば、それでいいのだけれど。



そう、この国で近年、争う事が増えたのは

単なる流行であるのだから。



別に、貧しくとも無欲であれば

苛立つ事もないし、争う事もない。



欲、が増長しなければ。






めぐは、特に目的がある訳では無いけれど

本が好きな人に、本を楽しんで貰う事が好きだった。



お話や、詩。

素晴らしい作品に出会って、感動する時

ひとは、争おうなどと思わない。


そういう世界を知っていれば、良からぬことをして

金銭を得るなど、に関心を持たないはず。



めぐが思っていたわけではないけれど

本を楽しんで貰ったり、よい音楽に親しんでもらう事が

豊かな心を得、争いを好まなくするのは事実である。


それは、ルーフィたちが医学的アプローチで

行っていた事と、似たような作用を

ひとに齎す、と言うことだった。




理想と空想



楽しい、嬉しい、優しい、

そんな気持ちを、音楽を聞くことや

本を読む事で、思い起こせたら


とってもいい事で....。

おすすめの本や、音楽を

いろんな形で紹介していって。


めぐは、図書館の仕事を

楽しく、続けていた。





アルバイトだけど(笑)。




政治家さんたちが、優しい気持ちに

なってくれて


この国は、建国の頃みたいな

活気に満ちてきて。



それはそうで、困ったらお国の人に頼めば

なんとかなる、って


そういう国なら、みんなも

国を大切に思う。


争わなくても、日々の暮らしに困らないなら

争う事もない。



無闇に争いたい人は、ごく少しになっていった。



悪魔くんの出番は減っていったので

自然に、魔界と人間界の境界を

超える悪魔くんも減っていったし


人間界で悪い事をして、魔界に墜ちる人も

少なくなっていった。


ルーフィの所に、魔王からお礼の手紙(笑)

が来たりして

ルーフィがびっくりしていたり。


魔王@mail>


ルーフィ殿

貴兄の働きに感謝いたす。

魔界の住宅事情(笑)も改善した。

これも全て、御尽力の成せる技と

我が輩は考える。


動物界に墜ちる、人間どもの数も減っている様子。


魔界の者としては、関係はないが

喜ばしい事と思っている。


頃合いを見て、魔界から人間界への

次元の扉を閉じる所存でおるが

貴兄のお考えを伺いたい。




「魔王が喜ぶってどんなんだろ」ってルーフィは笑う。



「いつも、怖い顔してるようなイメージがあるけど」って

わたしは

白塗りの、お相撲の中継に出てくる

デーモンさんみたいなのが

神殿の、大理石に囲まれてわっはっは、なんて

映像を思い浮かべた(笑)。



「キミの発想は、なーんとなくテレビに影響されてるね」と

マンガだなぁ、と

ルーフィは笑った。



「だって、いつも見てるんだもん」と

楽しかったドラマとか、映画とか

音楽のライブとか。



そんなのを思い出した。



向こうの世界で、ずーっと

そんな感じのテレビ、見てたっけ。


アルプスの少女ハイジ、とか。



楽しいお話だったっけ。やさしい気持ちになれて。


ハイジは、お友達の為に

病気になっちゃうくらい、優しい子だったんだわ。




そんなお話を見てたから、わたしも

自然とそんな気持ちになるのかなー、なんて(笑)。


いつもじゃないけど。




「そう、みんな優しいのさ、ほんとは。

追いつめられたりして、戦いたくなんてないんだよ。

そのために、みんなが幸せになれるように

社会があるのさ。」と、ルーフィは言った。



(e)笑!



みんなのためになれるってステキよね。


おじいちゃんが見てた、水戸黄門みたい(笑)



「なにそれ」って、ルーフィは笑う。




「えっと、んーと、時代劇のひーろー。」イギリスには

ないんだろうか、そんなの(笑)

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