どうやって



私達は、屋上から1階へ降りて。

めぐは、主任さんに「IDカードをお渡しできました」と。



主任さんは、まんまるで、ふくよかで。

ちょっと、編集長さんに似ている。


「そうか、良かったね。」と、穏やかに笑った。


きょうはウィークディなので、図書館もあまり人はいなくて静か。



時々、児童図書室から

子供達の声が聞こえたりするくらい。



図書館は静かにするところだけど

子供達では、仕方ない。


この図書館が新築されるまでは


川沿いに、古い図書館があって。



児童図書館は、別の建物だった。



どちらも、地域の銀行家の方が寄贈されたものだった。



その頃の銀行、は

国が保護していたので

安定感抜群(笑)で


利益をそうして、地域に返しているような、そういう存在だった。



貯金をしてくれる人の

お金を預かって。


仕事をする人に貸して。


利子で、地域に豊かさを齎した。




それを、横取りしようとしたのも

ほかの国の、欲だった。



この国の法律で守られていた銀行。


その、護る事が出来なくなるようにした。



それから、この国の豊かさは

外国人に持ち出されたし


この国の政府関係者は、外国人の手先になって

その、お金を山分けにしてもらうように

外国の投資会社に、政治家の親類などを送り込んで

それで、分け前を給料の形にして貰っていた。


法律に触れないように、国のお金を私物化していたのと同じだ。



それが「悪」と言うのなら

悪魔くんたちの方が余程善、だ(笑)


それは、それまでこの国の人が働いて得たもの、だからだ。



それも、「欲」と言う目の前にないもの、に

目の前の環境を合わせようとする、奇妙な行動のせい。


その人の頭の中の時空が歪んでいるのだ。



それを直す、と言う仕事は

魔法とて困難であるかもしれない、が


とりあえず、ルーフィはそれを行って


天使さん、それとめぐ、の

命を救おうと考えている。







おさな子のように



児童図書室で、子供の叫び声が上がったので

めぐは、ちょっと様子を見に行った。


気になっただけで(笑)でも、そういうものだ。


児童心理を学んだ係員が、そこにいるから

行かなくてもいいんだけど。



とっとこ、とっとこ。



様子を見ると、絵本を取り合っている(笑)



子供ってそういうものだけど


その声がうるさいと、大人の図書館利用者から

クレームが来る事もあって。


そんな時、「昔は別の建物だったので良かった」と

言われる事もあったりもする。


その時、クレームをつけた人のイメージには

過去の図書館、4次元空間のそれと

目前の3次元空間の、いまの図書館が

浮かんでいて


それを比較して、過去が良かったと

結論している。



だけど、過去に戻そうなどと、誰も思わない。

できない、からだ。




以前、ルーフィが言った「認知」で


例えば、夢を見ている時はどこが現実か、は

わからない。


現実、と分かるような、眼、耳、鼻、触覚などの

情報がないから。



それと似ていて、年を取って

のんびりしすぎた人、に


どこが現実か分からなくなる事もある。


認知症と言われる。



でもそれは、例えば死が近づいて

それを怖れなくなる為にある機能、などと

言われてもいる。



赤ちゃんで生まれて、夢の中のような

イメージから、

自分が誰で、

ここがどこで。


そういうもの、3次元的な時空に

自分がいると認識するまでは


その、曖昧な時空に皆、生きている。



だから、絵本をほしいと、ふたりで同時に思うと

取り合いになる(笑)。



自分の欲に従っているだけで

お互いに、相手の事など考えないから(笑)。



大人になると、理知的になるから

そういう事はない筈。


でも、なぜか

国を動かすようになると


国の為、と嘯いて

他の人や国から、金銭を掠め取ったりする。



それは、客観的には


幼児が絵本を取り合うのと変わらないレベルで



少なくとも建国の頃は、そういう政治家は居なかった。


理由は簡単で、選挙で多くの支持を集める為に

お金儲け主体の団体に協力を仰ぐから、だ。



結局、それも欲、必要もないのに

金銭を余計に取って、贅沢や無駄遣いをしたいと言う


結局、幼稚な自己顕示欲、幼児レベルの心が

それを行わせているから



欲、それを抑制すればいいのだろうと

ルーフィは考えた。







絵本の取り合いをしているふたりの男の子に

めぐは「どうしたの?」と

にこにこと、しゃがんで話しかけた。



ふたりとも、半分泣いている。


相手が憎いんじゃなくて、絵本が読みたいだけなのだ。




「借りてくの?」と言うと



ふたりとも、うん、と頷く。


男の子は、はっきりしていてかわいいと

めぐは思った。



本のタイトルを見ると、複数蔵書がある本だ。



「ちょっと待っててね」と、めぐは

カウンターのコンピュータで本の在処を調べ


他の一冊は、返却カウンターのカートにある事がわかり



もう一冊をたして、2冊をふたりにそれぞれ、手渡す。



ふたりの男の子は、喜んだ。


ありがとう、と

拙い言葉でめぐ、に伝え



ふたりの、母親たちも笑顔で、ありがとう、と

礼を述べて、貸し出しカウンターへ向かった。




「チャイルドマインダーみたい」と、児童図書室の係りは

めぐの所作を見て、楽しそうに言った。




「いいえ、わたしはなにも,,,,図書係ですから」と

めぐは控えめに微笑んだ。


児童図書の返却は、めぐの担当ではないけれど(笑)



それでも、坊やふたりが

本を好きで居てくれるといいな、と

めぐは思っての事だった。




欲を以て相手とぶつかり合う事を避けるのが

知性であり、情報である。



国の司る人も、そういう視点になれれば,,,,



めぐの場合は、母性的な優しさで

行動が起きて。


その時、彼女にはオキシトシンが作用している。

神経内分泌学的に、そう言われていて。


ルーフィはそれで、オキシトシンの作用を

政治家たちに与えようと

魔法を掛けた???



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sent from W-ZERO3




愛と心



「めぐちゃん、すてき」って

わたしは、めぐをはぐ(笑)したくなっちゃった。



めぐは、にこにこ。何も語らない。



ただ、本が好きなだけ。



そう言った、めぐがとっても愛おしいし

すてきって思った。


「やっぱり、好きって大切ね」と

わたし自身も思う。


気持ちが入ってる、って

音楽の演奏でも言うけど


そういうのって、いいな、って思う。



児童図書室の、チャイルドマインダーは、でも

大人だから


「ほんとは、あれは母親のしつけだけどね」と

当然な事を言う。



そう、確かに。

幼い子は分からないんだから。


他の子と仲良くするように、親同士で

気遣い合うのが、あたりまえ。



でも今は、子供が可愛くないのかな、

なんて思ったりするくらいだったり。



それも、オキシトシンが作用すると

ふつうは、子供に関心が行くもの、なんだけれど。



ただそれは、健康なひとの場合で

今は、心が健康でいられないような

事も多い、この世界なので



防御的だったり、闘争的だったり。


そんな心で居たりすると、子供の事より

日常の関心事、に

気を取られたり。



ちいさな子、ってかわいいのに。


毎日見てると慣れちゃうのかな。





世界のあちこちで、原子力発電所の事故があり

そういう事も、母親の関心事だった。


放射能は、子供のように

成長する時に触れると、癌が出来やすいなどと

親として、それは関心事だ。



実は、大昔に戦争が世界であって。

終わったとき、原子力を爆弾に使うため

原料になる為の原子炉を運転させる、その為に

世界のあちこちの国に、原子炉を作らせたのは

アメリカで


戦争など、もう起こらないので

原子炉は必要ないのに


原子炉を壊すにもお金が多くかかるので

そのまま使い続けている。


つまりこれも、欲のせいだ。




ほんのすこしでも、科学的な知識が

政治家にあれば、危険な事はしないだろう。





そんな風に誰もが思っているのにね。と

わたしは思う。






それを解決する為に送った、ルーフィのクスリ(笑)

の効果があったらしくて


消費税の増率は見送られたらしい。


らしい、と言っても

今と変わっていない、のだけど。







金融緩和、と言って

国の借金を、市民銀行からしていたのを

今度は、政府銀行から借金するように

して



その上お札を政府銀行で刷っているので

ちょっと奇妙だ、と世界中の人が思う。



政府が、政府銀行から借金する?

払うお札を政府が刷る(笑)。


それで、この国が豊かなら、世界はそれを信用する。


けれども、借金が多く、その上

原子力発電所の事故で、まだ多くの費用が

復旧にかかる国、である。




その、金融緩和策も転換が望まれるだろう。

クスリ(笑)が利いていれば、考え直すだろうと

ルーフィは思った。









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sent from W-ZERO3




ひとりのための



ルーフィは、その

絵本を取り合った子供と、母親の


シークエンスを見ていて


「流行もあるかもね」なんて、わたしに言った。



オキシトシンは本来、授乳ホルモンと言って

乳児を抱える母親の心に、自然に起こる気持ち、

その時にある物質。



なので、自分の子供は可愛い。

そういう気持ちにはなる。

けれど、他の子は可愛くないと言うのは

少し変だ、とルーフィは思う。



この国の人は、みんないい人だったのは

国の人同士が争う事無く、お互いに

豊かでいられたから、で


そうしたものを戦後、外国の人たちが

壊していった、その文化のせいだろうなどとも。



正確に言うと、外国の人、のうち

心が欲で歪んでいる人、つまり

頭の中の時空が歪んでる人たちの仕業、で



他人の事は知らない、自分だけが大切。



そんな気持ちになってしまうのは防御の為で

そうしないと、損ばかりするようになってしまうから、

だったりする。



それもやっぱり解決しないといけないのかなー(笑)

なんて、ルーフィは

意外な仕事の大きさに、ちょっとお疲れムード



「やっぱり、助っ人が必要なのかなぁ」なんて

思ったりもして。




元々、この世界は

ルーフィ自身には関係のない時空だから

お節介で、めぐ、と

天使さんのために頑張ってしまっていて。


自分でも変だと思ってる。


でも、困ってるからって

助けてあげたくなっちゃうのも、やっぱり

イギリス、紳士の国だもんなー、なんて(笑)



ルーフィは自画自賛(笑)



それでも、なんとかしてあげようと

頑張っている。






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sent from W-ZERO3




破滅



「でも、ヘン。わたしたちの居た世界って

魔物は居なかったし、平和で。

原子力発電所なんて無かったし、税金で国がもめる、

なんてなかったわ」と、わたし。


ルーフィはうなづく。「うん、だからここは..時間旅行で

3年前に戻るつもりで、時空の捻れた世界に着陸してしまった。

だから、ハイスクール時代のMeg,キミに似て非なる別人が居る。

その子は、生まれたばかりで魔物に襲われたりして

今は、天使さんに守られて、生きている。


そんな記憶、ないよね?」


「そんなことあるわけないわ」と、わたし。




「だから、ここは異世界なんだ。その、捻れは

最初、魔界と人間界に現れていた。


3次元、時間軸も空間軸も揺らがないこの世界に、

4次元の、時空軸が変化する魔物が、魔界から現れる。


通常ではありえない....。そして、魔王が魔物を退治した。

けれども、時空の歪みは、ひとの心の中に欲望、として残った。

自分さえよければ、と言う利己の欲望だ。」と、ルーフィ。



「そんなの、わたしたちの世界ではありえない。」と、わたし。



「そうだよね、ふつう、そう思うけど...。神話の時代にもあったことは、あった。

希望、と言う名の箱を開けてみれば、それは人の欲を掻き立てる存在だった、って

お話みたいに」と、ルーフィは、旧いお話を引用した。



「うんうん、そのせいで....。希望も、言ってみれば4次元で。

時間も空間も自由に伸縮するから、現実の3次元とあわせられないわ」と、わたしは

これまでの学習(笑)の成果で。


少し、理論物理学に強くなったかしら。




「まだ、希望なら、いいけれどさ。

欲望になると、少し大変だね。

国家レベルで、そんな事をすると

迷惑だ。


例えば戦争もそうだし。今、この世界では

他国の欲と、それを利用したいお金持ちの欲で

国を押しつぶそうとしている。


極東の島国で、地震が起きて原発が爆発したのと

同じような事が起きようとしているんだろう。


あの地震も、八百万の神が集まる60年に一度の時期、に

起きた。


人間界にある欲望のエネルギー、つまり

異次元のエネルギーが集まれば、多次元重層になって

地軸すらずれる。


地震くらいは起きるかもしれない。



その時に、核分裂、つまり、ひとつの宇宙を爆発させるような

事をしていたので....。3次元側では制御できなくなった。」



と、ルーフィは歴史を紐解くように語った。


でも、それはこの世界で起こった現実だ。



「それもこれも、欲望のせい、なのね。」と、わたしは思った。




「そう、少々行き過ぎた欲望と言うのは、4次元の存在さ。

3次元のレベルに合致できる程度の欲、に抑えていれば良かった。

それが認識だし、認知さ」と、ルーフィ。


「それは、この異次元の世界だけの事だけれどね。」とも。



「もう、帰りたくなっちゃった。」と、わたし。



「それは、正直僕も思ってるさ。でも、このまま放っておくとね.....

いつかこの世界は破滅するし、その前にめぐちゃんが..。」


と、ルーフィは口籠もった。



天使さんが宿っているから、めぐは生きていられる。

人間界、この世界に欲、つまり異界のエネルギーが増えると

それは、もはや人間界と言えなくなり、魔界に近いものになる。


住む者は魔物のような形相になり、争いを繰り返すのだろう。

ミシェル・ド・ノートルダームが予言したように

人類ではなくなってしまうのだ。



そうなったとき、そこは天使の居られる場所ではなくなるから

天界に帰らないと、生命が危ない。



そうすれば、めぐは....。








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