天国と地獄




ふたりを、和やかな雰囲気が包む。


そう、あの化け猫ちゃんが

尖っていたのに、和やかになっていったように。


元々もっていた、和やかな気持ち。

その時、心にオキシトシンが作用する。


ルーフィたちは、それが

長く続くように、魔法を掛けて

国会に思いやりを取り戻そうとしていたように。


建国の頃は、国会は

思いやりに満ちていた。

でも、それを欲、主に外国の欲が狙って

この国は不況になり、大学を卒業しても

就職できない、彼女のような人が増えた。



それは、外国の人の欲、つまり

ルーフィが、まだ何もしていない国の

政治的、投機的意図だった。



いつかは、根本解決が必要だ。


それらも、人の悪意のなせる技で

いずれ、魔界に落ちてこられると

魔王、閻魔大王ですら手を焼くので(笑)


人間界にいるうちに更正して(笑)

魔界に来ないでほしい、と

魔王ですら願っている、墜ちた人類たち。



反対に、天界に登る人は限られて

天界は過疎に悩み、神様は

増税しようか(笑)などと悩むかもしれないほど、だった。




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sent from W-ZERO3




社会と魔法



国同士が戦争をしていた頃と違って

今は、領土はそのままで

経済で国同士が侵略をしているから


それは、戦争と似たようなもので


この国は、強い国の人々の

欲望に、従わされそうになっている。


そういう構造が、ひとびとの思いやりを失わせ

弱い立場の者、例えば女子学生が卒業しても

就職口が見つからずに、自殺を考えるような


そんな国になってしまった。


それは、言い換えれば悪魔も呆れる程の

人間の欲望で。



悪魔くんですら、食わない代物だ(笑)



それは、時空が捻れた結果

人の攻撃心を、悪魔くんたちが煽った結果だと

神様も、魔王も思っている。


それを、正す事が出来れば


この世界の平和が戻り

天使さんも、めぐも

もとの幸せを取り戻す事ができる....と

神様はお告げになったとの事で



ルーフィは、それを魔法で解決しようとした。



その結果、国会に政府が提出した消費税率増加案を

政府が取り下げると言う、異例の事態が置きて

国会は紛糾した。



「なぜ、廃案に?」と、政府税調会議の官僚が

詰め寄る。



テレビ中継を見ながら、ルーフィは

彼にも魔法を掛ける(笑)


「もぐらたたきゲームだな、まるで」と、言いながら。

どこまで魔力が持つか。



閣僚が答える。「金融緩和策で経済成長が起これば

法人税の収入が増え、一般国民からの消費税は

上げなくても済みます」と返答。


順当な理論である。欲に駆られた連中に

操作されていない言葉だ。


魔法が利いているのだろう。



「金融緩和ってなーに?」と、わたしがルーフィに聞くと



彼は「うん。お札は国が印刷すればいいから、いっぱい刷ってみんなに配ればいい、って事」と、ユーモアたっぷりに。



「そんなに簡単なの?」と、わたし。疑問。



ルーフィはにこにこしながら「うん、それを

外国のね、お金を売り買いして儲ける人たちは見て

価値が下がるから売ろう、と思う。

そうすると、外国のお金に変える時

いままでの2倍払わないと、例えば1ドルが貰えなくなったり。


輸入品は高くなったりするし、この国に居る

外国企業は、本国にお金を持ち出す時、困る。」




「なんで、そんな事するの?」と、わたしは

わからない。



「そうして、見かけ上の金額が増えて

国内に流れるお金が増えれば、それ以前より

豊かになったように見える。金額が増えるから。

それで、税金を増やして儲けよう、って事らしい。」



と、ルーフィ。




「ほんとは何も変わってないのに?」と、わたし。



「そう。それで税金を企業から取らずに

国民から取って、財政危機を乗り切ろうと言う

そういう話らしい(笑)。笑い話だよ、それは。

外国の人も企業もあるのに、この国には。」

と、ルーフィ。




「変な話ね」と、わたし。



「つまり、それでこの国のお金を吸い上げようと

言う、強い国、アメリカかな?のお金持ちの

..つまり、悪魔くんが煽っていた攻撃心を持っていた

人間たちの意図、だろうね。」


と、ルーフィは淡々と言った。




「いずれ、あっちも手を加えないとダメかな」



と、つぶやきながら。










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必然と欲



「そんなにお金儲けして、何に使うっていうの?」



と、わたしは素朴な疑問。


ルーフィは

「うん、そこまではわからないけれど。

世界で戦争があった頃から、ずっと

国民から借金をして、国は動いてきて。

それの利子を払う、って話とか。

もうひとつは、原子力発電の失敗、事故でね。

国土に放射能が撒かれて。

その賠償で、電力会社が倒産しかけて。

それを、面倒見ている国が、そのために

お金を使う、って話とか」




「いままでの政治がいい加減だったのね」と、わたし。



「そうだけど、世界レベルでそういう事を決めてたから

ひとつの国だけで決められる話じゃない、とか」と

ルーフィ。



「そのためだけ?」と、わたし。



「そうでもなくて、今まで儲けてきた人や

いま、相場で儲けてる人もいる。

そういう人が、儲けようとして

例えば、会社の経費を切り詰めたり」と、ルーフィ。



そうして、お金が国民の手元に残らないから

お札を印刷して、と


そういう話らしい。



政治にとっては必然だけど、わたしたちが

頼んだわけでもないし。


いままで儲けてきた人が、払えばいいんじゃない?って

思う。









それから、私たちは

国会中継が終わった午後3時。


めぐが居る、図書館に行った。


第一図書室のカウンターに、めぐがいないので

司書主任さんに尋ねたら


忘れ物を届けに、エレベータで上っていった、と

彼が言うので



後を追って。



それで、屋上のベンチに座っていた

めぐと、リクルート・スーツの彼女に会った。




めぐは、リクルートさん(笑)にわたしたちを

紹介し、事情を話した。




ルーフィは「大変だけど、いまにきっと

よくなると思うよ」と

魔法の話はできないので(笑)


政治の方向が代わって、思いやりを持った

建国時代のような政治が戻ってくるだろう、と言った。



リクルートさんは「そういう日、来るといいけど」と。




あまり、期待している口調じゃなかった。



それはそうかもしれない。



いままで、お金持ち、例えば企業は

株価を気にして目先の利益を上げようとする。


そうしないと、会社経営者は首になるからだ。



その為に、リクルートしても就職できなかったり

賃金や安かったりして



ものが売れないから、不景気になる。



それが、今の世界。



つまり、ごく一部のお金持ちの「欲」が

少しだけ減ればいいのだけど....。





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もうひとりの魔法使い



その欲を刺激しているのが

悪魔の仕業などと人間界では言っている(笑)が


魔界では憤慨しているだろう。


いままで、見てきた通り


悪魔くんも食当たり(笑)の

人間のおぞましい欲は

とどめを知る事もない。








「困ったもんだなぁ」と、ルーフィは苦笑い。


「貨幣なんて、ひとの暮らしを豊かにする為に

あるのに。それを得る為に心貧しい行動をする、とか」




「ずっと、いいかげんな政治をしてきた結果でしょう」と

わたしが言っても、ルーフィは



「だからと言って、国の借金が減りもしないから」



それで、アメリカなどはよその国を

ずっと前からあてにしていて、この国も

狙われている、って事らしい....








「そうだ!ルーフィのご主人様って、アメリカンだったでしょう」と、わたしは思い出す。



出逢った頃、星条旗を見てルーフィが

そんな事を言ってたんだ。



「そうだけど、どうするの?200年眠ってるんだし」と、ルーフィ。



「200年前に時間旅行して、アメリカで魔法掛けてもらうの。」と、わたしは名案にうきうき。




未来を悲観して、眠ってしまったんだった。


でもそれは、向こうの世界のことで....



こっちの世界にルーフィがいるのなら、ルーフィのご主人様も、いるんじゃないかしら。


ひょっとしたら、眠ってないかも。



「そっか。キミはすごいよ!Meg」と言って


こちらの世界のめぐ、も

自分が言われたみたいに、にこにこ。




「あ、そっか、おなじお名前ですもの」と

めぐ、は

ちょっと恥ずかしそうに笑った。

口元にかわいらしく手を当てて。


わたしより、ずっとお淑やか(笑)なので

ルーフィも、こっちの方がいい、なんて思うかしら(笑)

おのれ、強敵め。








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