9月18日到来の台風の命名について
議題名:9月18日到来の台風の命名について
日時:8月31日7:00~9:00
場所:気象庁第14会議室
出席者:広告代理店課長A、菓子メーカー課長B、玩具メーカー課長C、統一メディア課長D、気象庁命名担当課課長E、F(議事録作成)
目的:命名社の決定
決定事項:なし
会議概要:気象庁は予測探知機※1を使い、三週間後に来る台風を確認。直ちに命名を行うために募集を掛けた所、菓子メーカー、玩具メーカーに応募があり、招集し、会議が行われた。
【菓子メーカーの主張】
B課長は今期に発売されるヒトデ飴のPRの為台風の名をヒトデに希望、台風通過後統一メディアによる人気女優の内海星花※2を採用し十代への流行を図る。
【玩具メーカーの主張】
C部長は今抱える長寿特撮シリーズの新玩具促進の為台風の名前をかぎに希望。この商品はすでに情報としては公表されており、統一メディアも利用し、通勤時間中の宣伝に力を入れているとの事。その為この台風の命名は更なる相乗効果を狙ってのことである。
【議論の末】
両者の話し合いを進めた所どちらにも台風を命名する資格※3がある為、くじによる決議となった。
【訃報】
くじに入る前に気象庁職員が会議を中断し、Eは彼と共に会議を後にする。三十分後命名会議を中断し、新たなる大規模な災害に備える様に言い渡し解散した。
追記:この災害の結果マスメディアは報道の自由を放棄或いは会社の倒産を余儀なくされ、この後五十年は心中主義先導による報道規制が行われる。
※1、災害予測探知機の子機。五十年前の発明。これにより死産災害の死者が零に達し気象庁は解体されかけていた。当時気象庁は災害の記録を担当し、その命名に無償で募集をかけていたが実際は大手企業との癒着があった。
※2、連続番組「火の子のほのか」により人気になる。この時代を代表する女優。
※3、この時Dがこの言葉を発し、Aが頷いた映像が残っている。
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