第7話 キャンプにいこう
「照君。 夏と言ったらなんだい?」
「え? 海とか夏祭りじゃないですか?」
昼時に大学の食堂に行くと、多くの人で賑わっていた。
なんとか相席できる席を探して座ると、そこにいたのは雫さん。
2人で昼食を食べながら雑談をしていると、雫さんが急に夏についての話題を振ってきた。
「ふむふむ。 確かにそれも一理ある。 しかし、やっぱり夏と言ったらキャンプよ! BBQに焚き火、満点の星空! 楽しいことがいっぱいよ!」
「確かにそうですね」
あんまりキャンプ行ったことないけど、どれも楽しかったなぁ。
大学生になったし、ちょっと大人っぽい趣味を持つってことで、キャンプを始めるのもありかもしれないな。
俺はそんなことを思いながら、うどんに七味をかけた。
「と、いうわけで、今週の休みに2人でキャンプに行くわよ!」
「えぇ!? 今週なんて急すぎません!?」
予定はないけど、心の準備とか道具が足りないよ!
それに…………。
「後、2人でキャンプって、色々不味いんじゃないですか?」
年頃の男女が2人っきりでキャンプ。 関係は先輩と後輩。 これが恋人同士ならありだろうけど、そうじゃないなら不味いんじゃ……。 下手したら、一夜の過ちが起こるかもしれないぞ。
俺だって年頃の男子だし、ましてや好きな人が相手なんだから、どうなるか分かったもんじゃないよ!
「大丈夫! テントはしっかりと分けるから! だから、問題なし! それに、私は照君と2人でキャンプしたいの。 照君は私と2人っきり、嫌?」
コテンッと雫さんがあざとく首を傾げて、上目遣いで俺のことを見る。
絶対わざとやっていることは分かっていたけど、普段の雫さんとのギャップが凄くて、俺は瞬殺されてしまったのだった。
「嫌な訳ないじゃないですか!!」
「なら、決まりね。 詳しいことはまた連絡するから」
雫さんは椅子から立ち、食器を片付けた後、食堂から出て行く。
俺はそんな後ろ姿を見送りながら、うどんを啜ったのだった。
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