メルト・ハート・アンド・ソウル2

何かを飲んだ感覚で礼三郎は目を覚ました。

『ねえ大丈夫だった?まさかあの程度の打撃で…いやなんでもないよ。さあアムリタをもっと飲んで元気になって』

青く光る液体をゲルヒコは礼三郎に飲ませた。

『ああよかった』礼三郎はアムリタを飲むか飲まないかする前にゲルヒコから飛び離れた!

  


介抱していた?ゲルヒコはどういうつもりだ?ゲルヒコも含めラウンズの行動は不可解な点が多い。

『じゃあさ次はアームヘッドでやろうよ』

半裸の筋肉男は笑いながら中性的な金髪の少年に変身していく。

『ボクのアムリタでココロもカラダも溶かしてあげる』

  


天井のコンクリートを溶かしローブを纏ったアームヘッドが降りてくる。礼三郎はエーデルワイスを呼び寄せ飛び乗った!ゲルヒコがいかなるアームヘッドを操るか不明だが先制を取られるを避けねばならない。

『いくよアムリタ』

アムリタとエーデルワイスが対峙する。

  


これは先に動いたほうが負けだ。先制タイムスリップ拳をかわされ大きく隙を作ったほうが畳み掛けれて負ける。数十秒の対峙、先に仕掛けたのは...アムリタだ!

  


アムリタの一撃はエーデルワイスの腕の装甲を大きく凹ませた!

『あれれ、隙だらけだから誘ってくれているのかと思ったけど違ったのかな』アムリタは更に続ける!

『うーん隙だらけ!やっぱりまだ本調子じゃないの?』

エーデルワイスが大きく後ろに飛ぶ!アムリタの眼が怪しく光る!タイムスリップ光線!

  


『まだまだだぜ!』

礼三郎はおのれを強いた!エーデルワイスは瞬間タイムスリップし光速のビームをかわしアムリタに迫る!

『アイ・ノー・ユー!』

虎の子のチョップをローブを纏う怪アームヘッドに浴びせた!アムリタが燃える!

  


『嬉しい…』

ローブの中から禍々しい筋肉木乃伊が姿を現す。

『アムリタが効いてきたんだね』

先程の珍妙な液体、明らかに押されている状況を押し返せたなのはそのお陰か?

『フフフ、安心して毒じゃないから』

...怪しいものを飲まされたのは力不足故それがプラスになる部分があるなら罠でも構わない。


びくびくとエーデルワイスの筋肉が反応する。強者と対峙する喜びか?あるいは強烈な生存本能か。アムリタと戦い、生き残るにはありとあらゆる要素を活かさねば!エーデルワイスが仕掛ける!アムリタとエーデルワイスの拳がかち合う!

『良いよ!良いよ!ボク楽しい!』

エーデルワイスが押しているか?

  


『でもね』

アムリタがエーデルワイスを投げ飛ばした!

『ボクには勝てないよ』

アムリタがエーデルワイスを見下ろす。

『キミが手も足も出なかったハルヒコのウコンバサラもレインディアーズを滅ぼしたヤマビコのアゾートもボクのアムリタには最初は勝てなかったんだよ?』

  


俺が最強のラウンズだ、と言っているのか?...そうではない。ゲルヒコは"最初は"とわざわざ言っている。礼三郎は少しラウンズを理解してきた相手をパワーアップさせても自分の弱点を助言しても平等な勝負をしたがるのだ。なぜだ?その疑問はすぐに沈んだ。

  


『打撃が効かないのか』

その事実は筋肉を主武装とするタイムスリップ者たちに対する圧倒的アドバンテージと言えた。

『そうだよ、ヤマビコもハルヒコもすぐに攻略法を見出だした。キミはどうかな?未来のサダヒコさま』

『そうはならないぜ!』

エーデルワイスの攻撃は遅い!鈍重なアムリタよりも!

  


『音速攻撃!来たね!』

タイムスリップ打撃は速すぎてアムリタの液体部分に衝撃を与える前に打撃になってしまい無効になる!だから攻撃を音にする!液体に直接攻撃するのだ!アムリタもタイムフリーズ攻撃で応戦する!ゲルヒコは礼三郎を認めつつあった。

  


タイムフリーズ攻撃は鈍重なアムリタの攻撃を敵タイムスリップアームヘッドの超光速タイムスリップ拳に対抗するためにあった。だが今では礼三郎の音波パンチの補助になってしまっている!パリンと音がした。

  


『ああ、壊れちゃった』

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