メルト・ハート・アンド・ソウル
あなたはなぜわたしではないのだろう
タイムスリップの奇跡よ
祝福を
ああ あなたもわたし
救われし世界がやってくる
───タイムスリップ賛歌
『メルト・ハート・アンド・ソウル』
『まず狙うのはヌルヌル洞窟で休息中のゲルヒコだ。生身のところをアサシネイト出来ればベストだ』
ヤリヒコは続ける。
『そして可及的速やかにヴィジャヤと交戦中のコツヒコを不意打ちし始末する。そうすればラウンズを二人喪ったタイムスリップ教団は混乱に陥る』教団を倒すことが出来る...!
一時的にラウンズは半数近くに減ることになり機能不全を起こす。そうすれば最終計画の発動も頓挫してしまう。
『なぜ?』
『俺が協力的かだろ』
ヤリヒコの行動はどう考えても裏切りだ。
『俺が知恵をおまえに授けたとしてもまだフェアじゃない』
サダヒコと礼三郎の実力の差はそれほどまでに大きいのだ。
光皇暦100000年頃、リズのアザーフォビア地方周辺はヌルヌルの沼地と化していた。最終計画が発動すれば存在が吹き飛ぶ歴史のページの片隅にゲルヒコのプライベート空間、いやプライベート時間が存在する。『この水、やけにヌメヌメしているぜ』礼三郎はタイムスリップしゲルヒコ時代へ到達していた。
そっかあ来てくれたんだ
ターン・イン・マシーン・ゴッド・アンド・デス
ふと気づくとヌルヌル洞窟に侵入していた。ゲルボーイ、チョコヒコ量産型、どろどろなどの恐ろしい敵が襲ってくる!『くっゲルヒコはどこだぜ?』見渡す限りのハイキョ、生身の礼三郎は進んでいく。いろいろな装置を動かし奥へと進んでいく。
『ここは...』開けたところにつくと金髪の男がいた。『おれはジェルヒコ、ゲルヒコ様の一番弟子!』倒し、進むと開けたところに金髪の男がいた。『やっと来てくれたんだね』
『ゲル幻術はやはりキミくらいになると効かないよね』
金髪の半裸の筋肉男は爽やかな笑顔を見せた。
『おまえがゲルヒコか』
『そうだよ、ボクがゲルヒコさ。プライベート時間だもん。来るのは不躾な部外者くらいだよ』
いままでのはすべて幻覚だった。
『この時代は気化したボクが漂っているからね』
既に礼三郎はゲルヒコを吸わされているのだ!
『フフ、いい気分でしょ?じゃ、早速遊ぼうよ』
ゲルヒコは力瘤を作って笑顔を見せた。礼三郎が先に仕掛ける!タイムスリップ者の多くは生身の鍛練を怠っている!ゲルヒコは笑顔のまま礼三郎の正拳を受け止め関節を決めた!
『うぐっ』
礼三郎のエイワズに初対面の時に骨折されかけた悪夢が蘇る!
『ほらほら』
ゲルヒコは手を離す!
『肉離れには気をつけてよ』
ゲルヒコは体操めいて足を伸ばす!
『ぬうう』
礼三郎は痛みに顔を歪めた。
『どうしたの?気分が悪いの』
不安げにゲルヒコが声を掛ける。
『舐めるな』
礼三郎はおのれを奮い起てる。どこかに油断があった。
『ああ、ちょっと来てくれ』
『どこが痛いの』
ゲルヒコが近づいてくる。
『少しお腹が痛い…』
『それは大変だよ』
『そうだぜ』
近づいたゲルヒコの顔面を礼三郎は思いっきり殴った!
『いたあい!』
まずは目潰しだ!礼三郎は畳み掛ける。
卑怯とか汚い等とは言ってられない。ゲルヒコとの実力差は予想を遥かに越えていた。ゲルヒコの鳩尾を拳で突く!
『やめてよお』
ゲルヒコを押し倒し金的!
『いたいってば』
いまだにゲルヒコにダメージは見えない。気管を潰すか?
『やめろっていってるでしょボク怒るよ』
ゲルヒコは無造作に礼三郎を弾き飛ばし立ち上がった。
『痛くも痒くもないよ』
ゲルヒコは軽く礼三郎をビンタした。ゲルヒコは軽くのつもりだった。『まったく...まあでも楽しい準備運動だったよ。ありがとう...。あれ、キミどうしたの?』
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