ファニー・バレンタイン2

タウン・オブ・チョコ。

『町に徘徊するのはチョコの怪物』

ホムンクルスである!

『あの時のアームヘッド!』

しかも今回はチョコとなっている!

『錬チョコ術というヤツね』

『知っているのですか?お母様』

『いや適当な事を言っただけ』

三機のアームヘッドはチョコビルの影から様子を伺う。

  


『チェスト!』

飛び出したのはリアルメシアだ!

『お母様!』

雪那のアームヘッドが急に飛び出し二人の男はびっくり。チョコホムンクルスはリアルメシアの飛び蹴りを食らってチョコレートへと戻っていった。『甘いわね…。村井のやり方を見せてあげるわ』

エーデルワイスとクニヒトは赤い悪魔に続いた。

  


周囲には甘い香りが漂いチョコレートの死屍累々。

『本当にラウンズ絶滅させそうで怖いぜ』

『ですね』

『おい、チョコ玉座があるわよ!』

チョコレートの玉座に偉そうなアームヘッド!

『何チョコ?お前ら誰チョコ?』

『私は雪那!』

リアルメシアが大見得をきった!

『誰だか知らんが教団に逆らうチョコね』

  


そして冒頭…。

『へえあんたがタイムスリップ・ラウンズ?弱そうね』

『なめるなチョコよ!チョコはラウンズではないがナンバー14の実力者チョコ』

『ふーん、私疲れたから適当にやって。マキータと彼方もそろそろ帰るだろうしちゃっちゃとやりなさいよ』

『チョコ!』

チョコヒコは怒った!

  


『見せてやろうチョコのタイムスリップバレンタインを!』

チョコヒコが調和能力ファニーバレンタインを発動させる!

『お母様もああ言ってるしやらせてもらうぜ!』

エーデルワイスがタイムスリップ拳をチョコヒコのフラガラッハに当てる!

『まずいわ礼三郎!』

『え?』

エーデルワイスが吹っ飛ぶ!

  


これはいったい?そう三倍返しである!チョコヒコはバレンタインに特化したタイムスリップ者であり、調和能力ファニーバレンタインは送られたモノを1ヶ月後に三倍返しする能力だった。だがお返しをタイムスリップさせることで即席のカウンターとしたのだ!

『バレンタインこそタイムスリップイベント』

  


『情けないわね!婿になりたければ精進しなさい』

『はいお母様』

礼三郎は深呼吸する。敵の調和はなんらかのカウンター能力。どうする?...。決まった。エーデルワイスはツカツカとフラガラッハに近づく。

『チョコ?どうするつもりチョコ?』

『我慢するぜ』

そう我慢だ!こちらが三倍に耐えれば勝ち!

  


『気に入った!』

雪那が喝采する!リアルメシアの拍手はかつてのセイントメシアよりも巧い。

『チョコ!』

『オピョ』

『チョコ!』

『オピョ』

『チョコ!』

二機のアームヘッドが延々とタイムスリップタイマンを続ける。

『狂ってる』

唯一まともなデオチが戦慄する。

  


これは無謀な選択肢だったか?

『狂わなければヤツラには勝てないわよ』

『雪那さん』

『それに見なさい』

ミシミシと異音がする。筋肉が成長しているのだ!エーデルワイスのバイオニクルフレームは敵の三倍のダメージを受けながらも超回復で肥大化していく!

『戦闘中に鍛える、そういうのもあるのね』

  


『チョッコー!』

タイムスリップ・チョコヒコは絶叫し売れ残った高級チョコレートという正体を現した。チョコヒコはチョコレートが筋肉を鍛えタイムスリップした存在だったのである。

『チョコヒコ、お前も強敵だったぜ』

  


『終わりましたね』

デオチがコクピットで体を伸ばす。だが雪那は押し黙ったままだ。エーデルワイスもまたチョコレートの残骸ではなく別の方向を見ている。ふとデオチに戦慄が走った。かつてアダマンティンやアゾートに味わったのと同種の感情だ。タイムスリップ反応が、二つ。

  

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る