ファニー・バレンタイン1

『我が名はタイムスリップ・チョコヒコ!』

チョコフラガラッハに乗るタイムスリップ者が名乗った。

『空条夫人(※注、夫の人の意)、お家芸を奪われてるわよ』

赤いセイントメシアのパイロットがクニヒトのパイロットに声をかける。『別に特技じゃ無いですってば!』

『来るぞ』

エーデルワイスのパイロットが叫んだ。

  


この経緯は数時間前に遡る!

━━━町。覆面を被った下半身を丸出しにした三体の筋肉銅像が現れた。『これはなんですか?』

『ぜんぜんわからん』

『わかんないや!』

人々が話し合っているとその三体のモルゲッソヨ達は動き出した!

『動いた!』人々がざわめくなか一体の銅像が喋るのをデオチは聞いた。

  



恐ろしいことに筋肉達は三体ではすまずもっと多い。筋肉が列、さながら葬列めいていた。

『兄者、クルワッハさんとマッスル村人達、総出で礼三郎に会いに来て良かったのか?』『もちろんヤツにチョコレートをあげねばな』

『・・・』

デオチは本来の要件を思い出した。チョコレートだ!

  


『浮気ね』

レインディアーズの大司令夫人(本来の意味)は断言した!

『そんな!』

狼狽するデオチ!

『マキータのヤツもいないし二人でラブラブデートね!ヤリヒコがどうたらとか言ってたし!』

雪那は平気そうに言う。

『そんな!』

『アイツは若い娘好きだからなー!』

『そんな!』

『冗談よ』

  


『へ・・・?』

『多分あの娘チョコレートを作ってるわね。あの娘の料理に耐えれるのは鉄の胃を持つマキータだけだから』

雪那はロールキャベツ事件を思い出すように言った。

『つまり?』

『空条デオチ、あんたが耐えれるチョコレートをマキータを実験動物に作っているわけ』

  


『お母様!』

突如入室したのは礼三郎だ!

『例の教団がチョコレートです!』

『ちょうど良いわね、暇潰しに浮気デートしましょう!』

というわけでタイムスリップ教団がチョコレート陰謀するのに3人のレインディアーズの元メンバー(一人違う)が挑む!

  


『例のラウンズってヤツが来てるわけ?』

『わかりませんお母様』

『ところで礼三郎、ラウンズって何人くらい居るわけ?』

『12人らしいです』それを聞くと雪那はしばらく困ったかのように沈黙していた。

『まずいわね』

『多いですよね…』

礼三郎は立ち向かう敵の強大さを噛み締めている。

  


『偶数よ』

雪那が口を開いた。

『へ?』

『だから偶数だから困るじゃない!あなたと私が6匹ずつ倒したら引き分けで勝負がつかないじゃない!』

『は?』

『察しが悪いわね…。ラウンズとか言うのを私より多く倒したら秋那をあんたにやるわ』

礼三郎はあまりにも頼もしい味方に感涙していた。

  


『デオチ!もちろんあんたも参加ね!サダヒコっての倒しなさいよ!ボコボコにされたリベンジするわよね?』

『ええ?』

デオチは思わぬ飛び火に狼狽える!

『レインディアーズに軟弱者は必要ない!根性でリベンジよ!』

『お母様、サダヒコは俺が倒します』

『あら?礼三郎!やる気じゃない!』

  


『それにもうテルミが一人倒してますし…』

『ふーんテルミくんも秋那に興味有るんだ。礼三郎、気張りなさいよ!』

『オッピョッポ!』

などとのたまっているうちにチョコレートが見えてきた。

『くっチョコだぜ!』

『チョコレートね』

『チョコレートですね』

なんと町がチョコレートになっている!

 

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