インフェルノ・マシーン

『ヤマビコサン』

プシュコーン。タイムスリップ・メカヒコは思い出していた。

『なんだ?』

タイムスリップ・ヤマビコは同じラウンズ同士とはいえ空気清浄機のお化けのようなメカヒコとあまり会話をしたことがなかった。そのメカヒコがエーテルに関する共同作業中、暇だから世間話をとの体で口を開いた。

『ウィノナサンノサイセイヲカンガエタコトハナイノデスカ?ワタシナラアノコトオナジギジュツヲモチカノウデス』

その質問へのヤマビコの答えは拳だった。エネジーフィールドで防御しながらメカヒコは更に問う。

『ナニスルンデス』

『二度と僕にその話をするな。お前は本当に機械なのか』

『ワタシハカンジョウノナイましんデス』

『・・・機械でないならこの言葉の意味がわかるはずだ。お前の言うあのこをまた作って満足なのか』

その言葉を聞くとメカヒコはしばらく黙った。

『スミマセン。ワタシノシツゲンデシタ』

  


◎◎◎◎◎◎

  


『校舎裏で待っています。ータイムスリップ・メカヒコ』

プリント印刷したような機械的文字でティガーに手紙が届いた。

『またタイムスリップ教団か・・・』

ティガーは先日のクリスマス事件を思い起こす。メカヒコが指定したのは白雪中学の校舎の裏だ。ポストアポカリプス不良たちがたむろしていたが倒し、校舎裏にたどり着いた。

『アボカドアポカリプス』とかかれたのぼりの向こうに緑の髪をした少女が待っていた。

『ティガーくん、待っていたわ』

『エイワズちゃん!?』

ティガーは目を見開いた。

  


ティガーは思わずギュルヴから降りた。

『エイワズ!』

エイワズに近づく。だがティガーは後ろを向いた。

『なんの真似だ。タイムスリップ・メカヒコ』

『サスガニダマサレマセンカ』

空気清浄機がタイムスリップし出現していた。

『キカイトヒトノアノヨハイッショナンデスカネ?』

空気清浄機が問う。

『?』

『ヤマビコサンハアノヨデウィノナサントシアワセニナッテクレルトワタシハウレシイデス』

『だからなんの話だ!』

『・・・だから貴方もエイワズと同じところへ連れてってあげる』

空気清浄機の声ではない!空気清浄機が展開する!

『お前は・・・』

『もし偽物を見抜けなければそのまま潰す気だったわ』

  


エイワズと似た緑の髪のルーンズが空気清浄機の中から姿を現す。

『ワタシが捨てた名は・・・ハガラズ。ルーン・ハガラズ』

タイムスリップ・メカヒコはそのエイワズと似た顔で微笑んだ。

  



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