サイレント・ナイト2


「誰だ!」「・・・俺か?俺はタイムスリップ・ヤリヒコだ。・・・くだらん。キヨヒコもそう思っていたんだろう」「ヤリヒコ・・・?どっかで聞いたことがあるぜ!」「・・・そいつは嬉しい、な!」ヤリヒコのアームヘッドが急にビルから降りた!「俺はお前に興味があるんだ。遊ぼうぜ」

  


ヤリヒコのアームヘッドは2本の爪を軽く振った!マーニが弾き飛ぶ!「危ないぜ、坊や。俺はこのお兄さんと火遊びするからよ。ちょっと避難していな」「ティガー!」「・・・落ち着け。俺は何もクリスマスで世界を壊したり災厄の種をまくつもりはない。・・・遊びたいんだ」

  


エーデルワイスは何も言わず、必殺のチョップを初手に選んだ!「そう、遊んでくれ!俺のこのアームヘッド、クルージーンって言うんだぜ」クルージーンは腕を組みながら後ろに退きチョップを回避する。「おお、こわいこわい。ヤマビコの小僧やサダヒコの野郎にちょっかいを出したときを思い出すぜ」

  


エーデルワイスはなおも追撃する。タイムスリップ拳を読んでいるかのようにクルージーンはタイムスリップ拳のない時間と場所に悠々と移動する。「こわいよなあ、筋肉バカってのはよお」ふとクルージーンが姿を消す。すぐに反応が復活、!エーデルワイスの真後ろだ!「権能、英雄幻想」

  


クルージーンの全身から牙めいた刃が現れる!「お前たちは俺に幻想を抱きすぎている」刃が飛ぶ!エーデルワイスは両手の穴からテトラ炎を放出!刃を溶かす!「おお、こわいこわい」クルージーンが再び、エーデルワイスの後ろに出現!エーデルワイスはそれを予測し肘撃ちを放った!

  


クルージーンはわざとらしく吹っ飛び、何かを蹴って方向転換する。「礼三郎、いいぞお・・・もっと遊んでくれ」礼三郎は答えず拳で応えた!タイムスリップ拳を追撃で飛ばす!避けられようともタイムスリップの絨毯爆撃で追い詰める算段だ!「おお、こわいこわい。楽しい!」クルージーンが腕を振った!

  


拳がなにかに当たった。浮遊する盾・・・?「かわいそうに、俺の神徒ちゃんを殴ってくれるわけか?」クルージーンはエーデルワイスとの間を割っている盾神徒の上を飛び越えるべく跳躍!それをエーデルワイスは迎撃しようと構える、だがクルージーンは虫めいた神徒を召喚し更に飛んだ!

  


「ハッハッハ」クルージーンが初めて背中の剣を抜いた!「じゃあな!サダヒコ!楽しかったぜ!」エーデルワイスを空中から両断するつもりだ!「アイ・・・」礼三郎もチョップで迎撃するつもりだ!「先輩!」ティガーが叫んだ!時間が揺れた。「ちっ」クルージーンが虚空を睨んだ。

  


タイムパトロールだ!タイムパトロールの調整サダヒカントが時間の歪みから現れた!指揮するのは一機のタイムパトロールアームヘッド。「・・・感謝すべきか。楽しすぎてオモチャを壊しそうだったからな」「タイムスリップ・ヤリヒコ!君は包囲されている!クリスマス改変の容疑だ!」「・・・」

  


「キングは君を高く評価している!一緒にサダヒコを倒そうと言うのなら放免しよう!」タイムパトロールアームヘッドは続けた。「・・・どいつもこいつも、勘違いしてやがる」クルージーンの胸が開いた。そこから眼が露出した。「俺は別にサダヒコが嫌いなわけじゃない」眼が何かを吸いだした!

  


テトラドレインだ!直接テトラダイを吸収しアームヘッドやその類型を行動不能にする!「ヤリヒコ!君は!間違っている!」調整サダヒカントが崩れていく!タイムパトロールアームヘッドは恨み言を言いながら消えていく。「・・・くだらん勢力争いに巻き込まれる身にもなれって言うんだよ」

  


クルージーンは後ろからチョップを放とうとしたエーデルワイスを押し倒した。「ごめんな、邪魔が入っちまった」エーデルワイスを見下ろしヤリヒコは言った。「なあ聞いてくれ。俺がサダヒコを裏切るはずがないじゃないか?お前は最高のおもちゃだよ」「お前は誰だ」「ヤリヒコだよ」

  


そう、言ったあと思いついたように続けた。「なあ俺の家族を知らないか?一人、思い出せない奴がいるんだ。妻と息子、うんそれは覚えている。でも誰かもう一人いる気がするんだ」「・・・俺が知るわけないぜ」「ヒレー、ヒレー・ダッカー」「なんだぜ?」「名前だよ、俺の!ひたすら聞いていたくせに」

  


「ヒレー・ダッカーなんて聞いたことがないぜ」「・・・ふん。まあいい。立て小僧。俺はお前を葬列から解放するつもりはない。立派なサダヒコになるんだぜ」「ならないぜ!」「なるんだよ!タイムスリップ教団預言者タイムスリップ・ヤリヒコがお前を鍛えてやる!」エーデルワイスが起きる!

  


「さあこいサダヒコ!この俺を倒して見せろ!」「ひ、ヒレーの言う通りにはしないぜ!」二機のアームヘッドが構えた。「先輩!」「小僧、面白くなってきたんだ!邪魔をするな!」「ヤリヒコ!来たぞ!」「来たって・・・何が・・・あ?」クルージーンはヤリヒコは初めて隙を見せた。止まったのだ。

  


「お前は・・・誰だ・・・」タイムスリップ・ヤリヒコは目の前に現れた黄色いアームヘッド、ゾディアーク・アナザーエイジを見て止まった。「な・・・何かが・・・やめろ・・・俺が・・・俺がこわれる」「おい、お前どうした?」息子を助けに単機出撃したマキータも敵の行動に困惑した。

  


「「俺はヤリヒコ・・・俺は思い出せない・・・思い出してはいけない・・・俺は復讐の・・・装置なのだから・・・だから幸せの思い出など・・・ない」クルージーンが一瞬獣のような姿に変わり消えた。「逃げたのか?」「わからないぜ」とにかくクリスマスは解決した。

  


最後に礼三郎はマキータに聞いた。「ヒレー・ダッカーって知ってる?」

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