運命彦ノ戴冠

当然ながらタイムスリップ空間においてタイムスリップはできない!すなわちタイムスリップによっての回避は不能!ブライトブロウにマビノギオンの攻撃が命中!


「我が名は時統説彦タイムスリップ・トキヒコ!物語そのものが筋肉を鍛え、タイムスリップした存在!」


トキヒコが恐るべき正体を語りながら攻撃を続ける!ブライトブロウはタイムスリップ空間で空気を踏みしめるかように身構え力を込め耐える!一方でマビノギオンは幽霊めいて浮く!マビノギオンの足は飾りにすぎない!トキヒコは人の姿を異界の怪物だ!浮遊にしてるにも関わらずその一撃は重い!


「さっさと決着をつけさせてもらおう。私はヤリヒコも懲らしめねばならん」


「なめるなよ!」


「うん?」


トキヒコは耳を疑った。俺にまだ戦いの意思が残っているとは想像もしていなかったらしい。まだ、戦いは始まったばかりだ。ブライトブロウはマビノギオンの錫杖を受けてへし折った!今度はトキヒコは目を疑った!それでもすぐにトキヒコは平静を取り戻し、錫杖を再生する。


「すこしは楽しませてくれるようだ!」


「楽しむ余裕などあたえん!」


俺はマビノギオンの頭部を見据えた。その王冠は触手を持った怪物に見えた。その目には光が無く、未だ目覚めていないかのようだ。ヤリヒコは王冠を狙えといった。ならば試すのみ。ブライトブロウは手刀を構えた。


「そんなものがあたるか!」


マビノギオンは速い!だが捉えられぬほどではない!マビノギオンに遠距離の攻撃手段はない!タイムスリップ者は飛ばすタイムスリップを飛ばす手段がある!だがタイムスリップ空間ではそれを封じられた格好である。ブライブロウの手刀はマビノギオンを捉えられない!トキヒコはほくそ笑んだ!が!


「なんだと!」


ブライトブロウはマビノギオンの王冠を奪い、自らにかぶせた!代替の王冠の目に光が宿った。

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