不滅ノ宇宙ト筋肉覚醒
「そもそも代替の神とはなんだ?」
俺はヤリヒコに尋ねた。サダヒコとその取り巻きはいうまでもなく、トキヒコにも不審さを感じていた俺はそのなかではもっともマシに思えたヤリヒコにこの世界について教えを乞うことにしたのだ。思えばトキヒコを怪しんでいたのは”正解”だった。
「代替の神は俺たちさ」
「?……。それはどういう意味だ。言葉通りということか」
単純に代替の神なんて存在せず、自らの組織をそう称しているのか?第三者の声が俺の思考を中断した。
「偉大なる統合超知性aglio olio peperoncinoだ!覚えておくといい!」
トキヒコだ。
「若く老いており賢く愚かで強く弱い祝福された呪詛すべき代替の神!」
「まあそういうことになっているな」
「ヤリヒコ!君は神への信仰がまるで足りない!私と同じ直接の被造物でありながら!」
トキヒコが目を見開き、大口を開け叫んだ!
「つまりどういうことだ?」
「神はァ!我々全てが至るべき至高の存在!我々すべての知性が因果実の結実によって代替の神へと至り代替宇宙の到来を宣言する!」
「宇宙を終わらせるのが俺たちの目的というわけだ」
「そして!来るべき代替宇宙を代替特異点として久遠に支配するのだ!そのために遥か未来から神は我々を自分自身を善導されておるのだ!」
つまり俺たちは宇宙の終わりにおぞましい一つの化け物になってそれを早めるためにその化け物自身が未来から現在にちょっかいを出しているというわけか。
「それでどうなるんだ?」
俺は自分の身の持ち方を見失っていた。復讐すべき世界はこの身が筋肉覚醒によって転生する際に失ってしまった。
「どうなる?どうなるとはなんだ?代替宇宙は不滅!それで終わりだ!」
世界のあり方はどこだっておぞましい。このまま生き方を見失ってしまうのかもしれない。
「代替宇宙は滅びた。世界は繰り返す。代替特異点はヒトの精神に触れ、イカれちまったのさ」
「ヤリヒコ!」
「この世界は何回目かの世界なんだよ。やつは欲望を持っちまった。俺たちと同じさ。滅びたくないってね」
俺はやがて生きる目的を見つけた。新しい
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