第28話 マッサージ器を作る
朝からリーナさんと話し合いだ。
「稼ぎ時になるから、クラン・ヴァルドの仲間を呼ばないと。ディザとマリーは情報を集めてね。ダンジョンの位置が分かったら一番乗りできるのが理想さ」
「噂に耳を澄ましておくよ。マッサージという口実もできたし。マリーのお手柄だ」
「マリーちゃん偉いわね」
「えへへ」
「じゃ、私はタルダに戻って報告してくる」
タルダはクラン・ヴァルドの本拠地がある街だ。
さてとマッサージするのは何も手じゃなくても良いと気がついた。
ポリゴンでマッサージ器を作って振動させるのだ。
箱に十字に取っ手が付いた形を作った。
「マリー、俺にやって」
「うん」
箱が振動を開始する。
それをマリーは俺に当てた。
「痛い、痛いな。壁に何回も打ち付けられた気分だ」
「ごめん」
「マリーのせいじゃないから。わたと布を買ってきてカバーを作れば痛くないかな」
ギルドで依頼を出して、マッサージ器のカバーを作ってもらった。
「今度こそ」
「やるよ」
「うん、痛くない。気持ちよくもないけど。子供だから肩が凝ってないのかも」
「ギルドのおじさん達にやってみようよ」
「そうだね」
ギルドの酒場にマッサージ器を持ち込んだ。
「こいつはいい。背中の方もやってくれ」
そうだ寝台を作ろう。
「【具現化】ベッド。ここにうつ伏せに寝て」
「おう、用意がいいね」
背中をマッサージ器でほぐす。
「くう、効くぅ」
「私にもやってくれないかな。もちろんマリーちゃんで」
「暴風さん。ど、どうぞ」
ベッドから転がり落ちるように冒険者が退いた。
「マリー、ご指名だ」
「えー」
「やってやれよ。変な事を言われたら、辞めていいから」
「うん」
「ふう、女って肩が凝るのよね」
暴風がベッドにうつ伏せになった。
「いくよー」
「これはいいわ。これ売って貰えないかしら。私のかわい子ちゃん達にねっとりと試したいわ」
色っぽい口調で話す暴風。
股間を抑える男達。
何を想像したんだか。
「金貨10枚で売ってやるよ」
「買ったわ」
儲かったが売って良かったのだろうか。
まあいいか。
こってない所に使われても。
銃の形の奴とか色々あるんだが。
更に危ない注文がきそうなんで辞めておくか。
情報収集は上手くいっている。
狩はライオンに任すという事で新たにエウロパ、ガニメデを作った。
やはり雌ライオンを三頭ずつ付けてグループにした。
そう言えば殺し屋が来ないな。
ギルドで会いたくはなかったがゼットに会ってしまった。
「愚弟よ。俺も空飛ぶ剣を手に入れたぞ。あとは従魔だけだ。そうなれば俺様は無敵だ」
ほざいてろよ。
従魔ねぇ。
良い事を思いついた。
ゼットの従魔にするのは何が良いかな。
ネコ科は俺と被るので嫌だ。
よし、恐竜にしよう。
ティラノサウルスのモデルを買って2メートルぐらいに縮めてと。
アニメーションにびっこ引くのを作って。
AIを入れてと。
「【具現化】ゼットの前で怪我をしたふりをしろ。そして護衛しろ」
ふっ、ピンチになった時にゼットからティラノサウルスが逃げ出したらそう快だろうな。
盗見たゼットの依頼の場所で待ち伏せした。
来た来た。
「坊ちゃん。こいつは見た事のない魔獣だ」
「手負いだな。危険だ」
「ふっ、俺様に天啓が訪れた。こいつを捕まえろ。俺様の従魔にする」
「今のところ大人しいから、いけるか」
「こいつは何を食うんだ。ほれ干し肉だ」
「肉は食わないらしい。草食なのか」
「食いだめするタイプかもな」
「俺様に従え」
首を垂れるティラノサウルス。
演技が上手いな。
「そうか、俺様の威厳に恐れをなしたか。可愛い奴め。こやつはドラゴンの一種に違いない。まだ子供なのかもな」
上手くいったぞ。
エサは食わないが、そこは食いだめって事で納得するだろう。
「ディザまた黒い笑顔してる」
「だってゼットがよ。余りにも道化なんで」
「ほんとに道化だよね」
全くだ。
その時が今から待ち遠しい。
そんな俺は更なる強化を迎えた。
まあ見てくれ。
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名前:ディザ LV13
魔力:34
筋力:28
防御:23
知力:53
器用:26
瞬発:29
スキル:ポリゴン LV5
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ポリゴン LV5
1000000ポリゴンまでのモデリングをする事が出来る。
サブスキル:
モデリング
具現化
アニメーション
ショップ
作成依頼
プラグイン:
AI
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ついにスキルレベルが5になって、なんと作成依頼が使えるようになった。
これは好きなモデルを作ってもらえるって事だろう。
何を頼もうかな。
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