9 星の降る夜編(仮)
第144話 始動
「ん……うぁ……」
僕は寝ぼけた頭をかきながら体を起こす。
時計を見れば、時刻は午前8時過ぎ。
僕はのそのそと歩いて軽く水を飲み、外を見る。
外では人々が忙しなく働いており、今日が平日ということを教えてくれている。
うん、控えめに言って最高だな。
街が動く中、僕は学生として夏休みを享受する。
本当に素晴らしい日々だ。
変な世界に飛ばされたりしないし(現在進行系で飛ばされてるけど)、魔物と戦ったり、王女様を助けたり、ドラゴンに襲われたり、変な敵と戦わなくていいんだから。
というか、普通の日常というのはこちらの方ではないのかな。
「キュゥ……」
まぁ、いいか。
僕は眠たげに体を起こしたスロを見て微笑みながら思う。
あぁ、日常とはこんなにも素晴らしいものなのか、と。
あわよくば、この日々がいつまでも続きますように、と。
しかし、その願いはまたすぐに打ち砕かれることになるのだが、それはまだちょっと先のお話。
それまでは、つかの間の日常を噛みしめることにしよう。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
新章、開幕です。
終わりまで突っ走り……たいです!!!
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