第4話

 だんだん衰弱していってることがひしひしと体全体で感じる。一方、優花はまだ良くなってないらしい。心配ではあるけど、見舞いとかに行くことは出来ない。もう、歩くことすらできないレベルまで来ている。


「……さんのド……が見……ましたがど……ますか?」

「お……いし……す」


 カーテンの向こうで親と医師が何か話している。もう、死ぬのかな、俺。いや、もうどうでもいいか……


 白い天井も薄い病院食も飽きた。外から見える灰色の景色も変わらない。もう、優花とも関わりを切った。死んでも悔いはないかな……そう考えたが、やっぱり、死にたくない。もう一度、優花に会いたい。


 それから二日くらいたった。昨日から飯を食っていない。まぁ、別にどうでもいいか。もう一眠りしよう……


 目が覚めたら先程の真っ白で味気ない天井じゃなくなっていた。


「なん……だ? ここは、どこだ……?」


 なんか眠くなってきた……もう、いいかな? 疲れたよ……


 俺はゆっくりと眠りについた。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


『また会えたね』


 誰だよ。


『あれ? もう忘れたの?』


 あぁ、わかった。優花だろ?


『そうそう。正解だよ』


 なんでこんなところに……?


『ん? 聞いてなかったの?』


 何をだよ。


『じゃあ、いいや。目が覚めてからのお楽しみ』


 何を言ってるんだよ?


『じゃあ、またね』


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「待って!!……夢?」


 見慣れた味気ない真っ白な天井。覗き込む両親。心電図は前よりも元気そうだ。


「起きた! 大丈夫か? 違和感のあるところとかないか?」

「大丈夫だよ」


 親父がうるさい。母に至ってはずっと泣いてる。ウザイ。


 状況を整理しよう。目が覚めた。身体に違和感はない。いや、違和感がないことが違和感か。


「心臓移植、成功ですね」

「先生、ありがとうございますっ!」


 心臓移植? ついこの間までドナーはいないって言ってたじゃないか。一体誰が……


 今はそんなことはどうでもいい。優花が心配だ。せっかく俺は元気になったんだからまた、やり直したい。


 そう思っていた。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


 ここまで読んでいただきありがとうございます!

折り返しもすぎました! 皆様のおかげです! ありがとうございます! あと2話です。頑張って最後まで駆け抜けようと思います。どうか最後までよろしくお願いします!

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