第6話
あの後、エリーアス様はすぐに辺境伯様と騎士団長様に許可をとってくださったようで、僕はすぐにエリーアス様の側で色々と勉強をすることになった。騎士団長様の補佐官様も「よかったな。みなさんが王都に帰られるまでは、こっちのことはいいから」とおっしゃってくださった。
「ユリアン。私の従騎士だ。ナータン・ツヴァイクレ」
そう紹介された従騎士様は茶色の髪と青い瞳の優しそうな人だった。背はエリーアス様よりちょっと低いくらい。
「ユリアンです。よろしくお願いします」
最初の挨拶は大事。これから色々と教えていただくからね。
「よろしくね。私のことはゃナータンと呼んでくれて構わないよ」
「さて、とりあえずはユリアンの魔法とスキルの確認だな。ユリアンは5歳の時に神殿で判定は受けているかい?王都だと貴族も平民もみな神殿で受けるのだけど」
「えっと、ここでは神殿で判定を受けるのは辺境伯様のご家族と、騎士団だけです。平民や騎士の子供は成人で判定を受けることになっています。その代わり、簡易判定はギルドで受けてます」
王都は5歳で判定を受けるんだ。ここでは、神殿はあるんだけど判定ができる神官様って少ないから、王都から来てもらわないといけないんだ。だから毎年1回だけその年の成人、って決まってるんだよね。冒険者ギルドや商業ギルドには簡易判定できる魔道具があるから、5歳になるとみんな簡易判定するんだ。簡易判定だからきちんとしたものではなくて、成人の判定でスキルや魔法の適正値が違うこともあるらしいよ。適性値が違うだけで持ってるスキルなんかは正しいらしいけどね。
「ならば、一度きちんと判定しておこうか。もしかしたら簡易判定後に出た属性やスキルがあるかもしれないからね。ナータン、判定の魔道具を準備してくれ。ギルドにあるものよりも正確だろう」
なんでもエリーアス様の持っている魔道具って王都の高位貴族だと各家庭にあるらしい。定期的に判定して、正しい訓練なんかをするんだって。そんな魔道具を持っているから聞いてみたらなんとエリーアス様、侯爵家の方でした。
「侯爵とはいえ、私は3男だからね。家で持っている子爵の爵位はあるけど、家を継ぐわけではないから騎士になったんだよ」
「王都の騎士団の方はみなさん爵位持ちなんですか?」
「いや、平民もいるよ。騎士団に所属した時点で騎士爵は授与されるからそういった意味では皆爵位持ちかな。あとは役職や貢献度などで爵位が授与されることもあるけどね」
そうなんだ、とエリーアス様が教えてくれたことを頭に入れる。辺境伯様のところも王都の騎士団と同じなのかな。今度父さんに聞いてみよう。
そうこうしているうちに、ナータン様が魔道具を準備されて僕を呼んだ。丸い水晶玉みたいな魔道具だった。これに触れると属性やスキルが浮き出るらしい。ギルドのは色の濃淡で判別するだけだったから、高性能だ。この魔道具はステータスとして表示されるんだって。成人すると自分のステータスは簡単に見れるようになるらしい。この国での成人は16歳だから僕はまだまだ先だ。
「じゃあユリアス。この玉に触れてくれるかい」
ナータン様の声に僕は魔道具に手を伸ばした。
黄色、青、橙色の光が溢れると魔道具の上に文字が表示されていた。これが僕のステータスだって。
魔法属性―光・水・地
スキル―応急処置・鑑定・採取・調合・調薬・付与・弓術・調理・生活魔法
数値が出ていないのは、まだレベル1だからなんだって。そりゃそうだよね。僕見習いだから弓も調合とかも補助があるんだもの。自分一人でやってないかららしい。少なくとも12歳くらいまでは補助がある状態で訓練していくことになるから、数値があがるのはこれからになるから気にしないように、って言われた。
「属性は3つあるのか。だがどれも相性のいい属性だね。これなら訓練次第で上級まで魔法を覚えることができるだろうね。スキルの鑑定はこれから色々と鑑定することで数値も上がるだろうし、魔法も訓練することでスキルとして出てくるだろう。今は薬師見習いと弓術が中心で動いているんだろう?」
「はい。母さんがここの専属薬師なので、色々と教えてもらってます。魔法属性から見ても適性あるからって」
「そうだね。ここにそれぞれの属性魔法がスキルに入ってくると、もっと色々できるようになるな。まずは魔法をスキルに出すことからはじめないといけないな。それと従騎士としての仕事内容……の前に礼儀作法からかな。騎士になるには必要なことだし、従騎士見習いになるには覚えておいた方がいいからね」
「あ、ナータン様。このスキルの下のところにある称号ってなんですか?」
「おや、称号あるのかい?そこは判定しても本人にしか見えないようになっているからあまり人に言ってはいけないよ。エリーアス様、称号はどうしましか?確認しておきますか?」
「そうだね……。期間限定ではあるけど、私の庇護下に置くことになるし把握しておいた方がよさそうだ。ユリアン、どんな称号が教えてくれるかい?」
「はい。えっと<神狼の末裔の友>と<大地母神の慈愛>ってあります。神狼ってなんだろ……」
「ユリアン、もしかして君の相棒のシリウスって白い狼かい?」
「はい。シリウスは白い狼です。でも普通の狼ですよ?」
どうもシリウスは普通の狼じゃなかったらしいです。白い狼って珍しいんだって。ビックリだよね。大地母神の慈愛は多分、シリウスと相棒になったから目をかけてくださったんじゃないかって、言われた。どちらも珍しい称号ではあるけど、大騒ぎになるほどではない称号らしくてちょっとほっとしたんだ。神子とかついてると神殿が出てきちゃうし、王様まででてきちゃったりするらしいよ。僕、そんな大変なものじゃなくてよかったよ。どちらも珍しいけど、他にも持ってる人がいる称号なんだって。他の人には称号は見えないんだけど、神殿では称号を持った人がいると分かるようになってるらしいんだ。名前とかはわからなくって、なになにの称号―1名とかになってるんだとか。その中で神子だったり聖女だったり、賢者だったりの称号が表示されると国を上げて探すんだとか。そんなことになったら僕絶対にやっていけないから、これでよかったよ。
称号があると、少しだけ恩恵があるらしくって僕の場合は、森の中で魔物や動物の気配を感じやすかったり、地属性の魔法の効果が少しだけ強くなったりする程度らしい。もちろん訓練していかないとあんまり恩恵を感じないらしいけどね。そこはこれから訓練していけばいい、って言われたんだ。僕にはちょうどいい恩恵だよね。
ちなみにエリーアス様もナータン様も称号もってるらしいよ。戦神の興味っていう称号なんだって。ちょっとだけ、武術系のスキル効果が強くなるらしいよ。騎士にとっては嬉しい称号だよね。そう思うと僕の称号って騎士の称号からははずれてるね。僕らしいといえば僕らしいのかな。
属性とスキルをエリーアス様とナータン様が把握されたことで、僕の教育方針を決めていくんだって。王都からこられた騎士様の中には補助系統の魔法がある人もいるらしくって、スキルとして魔法がでたら教えてもらえるらしいけど、王都にもどられるまでにスキルでるのかな。でるといいなぁ。
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