14. 要はアンチ
白を描くなら黒い紙を。
当然だけど。
正義を書きたいと思ったら、正義について考えるより、悪について突き詰めたほうがいいということ。ラッキーを書きたいなら、いかにアンラッキーかを打ちまくるということ。
陰謀が巨大で悪質であればあるほど、おのず正義の味方は活躍せざるを得ず、ささやかなラッキーでさえ天からの福音がごとく際立つアレ。
案外、慈しみがテーマだなどと思うと、いかに主人公が周囲を慈しむか、その様を書き上げようと趣向を凝らしがちだけど、読み手にはおそらくそれほども伝わっていない。
なぜなら物語の中でその位置づけはデフォルトだからだ。
初期設定は慈しみではなく、蔑みでないと慈しみの効果はそこまで上がらない。
もし表現したいテーマがあった場合。
考えるのはまずテーマの対極にあるモノの方だ。
そのあとテーマについてを煮詰めた方がいい。
そう思っているし、忘れたくない。
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