第11話 江ノ島ヌーディストビーチ

「今の日本はね、結婚の25%ができちゃった婚らしいよ。」

『どうしたの?また不満?』

「誰が肥満よっ!!!」

『言ってないわよ!!!』

「つまりね!4人に1人はできちゃった婚してるんだよ日本人って!!!」

『凄い確率ね。』

「こんなんで良いわけ?おかしいよこの国は!」

『まぁまぁ、仕方ないじゃない。なし崩しで行動しちゃうのが人間だもの。』

「でも!できちゃった婚夫婦の離婚率も高いんだよ!誰も幸せにならないじゃん!」

『仕方ないじゃない。お互い相手を使い捨てカイロみたいにしか思ってないんだから。』

「なんでちゃん美優は肯定的なの!このできちゃった婚文化に!!」

『悟ってるのよ。人間なんて猿が少し進化したもんだから。』

「うおお…。諦めてたんだね。」

『特に神奈川とか酷いんじゃない?』

「確かに、湘南なんてバツイチしか居ないよね。」

『そんな事ないと…。オモウヨ。』

「なんで最後カタコトになったの!?自信なかったの!?」

『湘南のヤンキーやギャルって下半身でしか会話してないじゃん。』

「偏見じゃない!?」

『ヘン…ケン???』

「なんでポンコツロボみたいになってるの!?」

『"できちゃったよ婚"なんて、時代よ。諦めなさい。』

「ちょっと言葉おかしいね?"できちゃった婚"だね。」

『できちゃったよ、あちゃー婚?』

「既に後悔してない?」

『できちゃったね、あはは!婚?』

「能天気だねっ!というかちゃん美優がボケないでよ!!」

『たまには良いじゃない。お笑いのツッコミ芸人だって時々ガス抜き程度に小ボケするじゃない?』

「例えが具体的!」

『江ノ島なんて行ってみなさいよ。みんな下半身露出して歩いてるわよ?』

「え?江ノ島ってそーいう島なの?」

『な訳あるかっ!!!』

「ヌーディストビーチ的なね?江ノ島だけ法律働かないのかと思ったじゃん!」

『アダルトアイランドに名前を変えるべきね。できちゃった婚に拍車かけるじゃない。』

「そうかぁ。こんな近くにヌーディストビーチがあったんだね。」

『違うからね?』

「でも、私、裸見られるのは恥ずかしいなっ//。」

『ハハハ、オモシロイギャグダ。』

「なんでバグってるのちゃん美優!?」

『奈緒って生まれた時、母体に羞恥心とか照れとか置いてきたじゃん?』

「あるわぁぁ!!!!!!」

『急に大声出さないでよ。私まで馬鹿だと思われるじゃない。』

「私は既に馬鹿だと思われてるの!?」

『神奈川県民なのに江ノ島知らないじゃん。』

「知ってるし!鎌倉の付録でしょ?」

『コロコロコミックみたいな言い方しないでよ!おまけじゃないわよ!』

「鳩サブレしか分からない。よくカップルがお土産コーナーで揉めてるの見かけるね。」

『できちゃった婚一周年とかで、湘南から来るのよ。鎌倉ってそーいう場所だから。』

「鎌倉のイメージまで下げようとしてない?」

『ソンナコトナイワヨ。ワタシ、カマクラ。ダイスキ。』

「動揺してるじゃん。」

『動揺?』

「まさか、私よりアンチ"ウェイ"が居たなんて。私は嬉しいぞ!ちゃん美優!」

『動揺してないよ?』

「頭回して!!いつまでそこで足踏みしてるの!」

『動揺って…なぁに?』

「もう休もうか今日は。」

『デートで鎌倉や江ノ島行く人って、絶対下半身で会話してる連中じゃない?』

「急に元に戻らないでよ!?」

『できちゃった婚だが、なし崩し婚だが知らないけどさー。後先考えず勢いで行く人の神経が分からないんだよね!』

「ポンコツだったのに急に鋭い指摘を…。』

『性欲が服着て歩いてるのかな?って思うもん。』

「わざと男の方に転んでボディタッチ狙ったりする女性とか。片脚切り外して好みの男性の股間に巻きつけるとか。」

『ごめん。後半理解できないや。爬虫類なの?』

「好みの男性に巻き付いたりとかね。」

『蛇なの???』

「口から卵を吐き出したりね。」

『どこかの大魔王様じゃん。』

「鎌倉って神奈川でも誇れる観光名所なんだけど、頭と下半身が弱そうな人しか居ないよね。」

『初めて奈緒に共感したわ。感動したわ。』

「あれ?ここはツッコんで否定してよ!」

『過去に鎌倉の大仏前でキスしてるカップルを見たことがあってね。大仏より、私達のラブラブっぷりを見なさい って感じがね。腸が煮え繰り返ったわ。』

「そんなの居るんだ。現行犯逮捕だね。」

『やっぱり神奈川駄目だわ。県名に神が付いてるのに、神も仏もないわね。』

「ヌーディストビーチしかないね!」

『ヌーディストビーチもないんだけどね。』


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