第8話 スプラッターマウンテン

「私、東京ディズニーランドって、行ったことないんだよね。」

『あら?そうなの?』

「ほら、私って綺麗好きじゃん?」

『その言い方だと、東京ディズニーランドは嫌いじゃないって聞こえるわよ』

「だってネズミが出るほどでしょ?」

『メインキャラクターだよ!!』

「ミッキーとミニーのカップリングってそんな需要あるのー?」

『腐女子みたいな観点で話さないでよ。』

「非現実的な世界って、ちょっと入るのに勇気居るじゃん?」

『あ、分かる。異世界転生みたいな気分になる。』

「ごめん。ちょっとよく分からない。」

『なんでよっ!!?』

「行ってはみたいんだけど、まずキャラクターの名前がね…。なんだっけ?レオナルドみたいな名前の。」

『多分、ドナルドかな?』

「アメリカ大統領みたいな外見で。」

『まさかのドナルド・トランプ!?ディズニーランドに居ないわよ!!』

「そうか、ドナルド・北京・ダックだ!」

『ドナルド・フォントルロイ・ダックよ!』

「ちゃん美優凄いね!知ってるんだ!?」

『まぁ何回か行ったことあるし。』

「私ね井の中の蛙ってアトラクションに乗りたいんだ!」

『まさかとは思うけど、イッツアスモールワールドの事?小さな世界ではあるけど…。』

「あと、プーチンのハニーハントも乗ってみたい。」

『プーさんのハニーハントね!ロシアの大統領出てきちゃったわよ!』

「あとはね、スプラッターマウンテンも乗りたいんだ!」

『そんなR18指定かかるアトラクション無いわよ!スプラッシュマウンテンだね!』

「詳しいねちゃん美優!伊達にディズニーランドソムリエって呼ばれていないね!」

『え?誰がそんなこと呼んでるの?連れてきなさいよ。スプラッターマウンテンに連れて行ってやる。』

「落ち着いてちゃん美優。私が今日無事に家に帰れたら、来月ディズニーランド行こうね。」

『ねえ、なんでフラグ立てたの?』

「私、今日無事に家に帰れたら、ご褒美に高い入浴ダブ入れてお風呂に入るんだ。」

『なんで変なフラグ立てていくの?本当はディズニーランド行きたくないの!?』

「私だって行きたいよ!でも、無理なのよ!」

『なんで?』

「私ネズミアレルギーなの。」

『じゃあもう無理だね!!』

「そもそもディズニーランドって怖い話あるじゃん?」

『あるじゃん?って言われても、私知らないわよその話。』

「閉園時間過ぎても、ディズニーの敷地内に居るとね。"ははっ!閉園時間過ぎてるのになんでここに居るのかな?楽しい夢の時間は終わりだよ?ははっ!"って言いながら客をディズニーの地下へ連れていくの。」

『え、本当に怖い話じゃん…。』

「ディズニーの地下で催眠をかけられて、お家に帰れないようにして、永遠とディズニーの敷地内で働いてもらうの。夢の時間は終わり、悪夢が始まるの。それがディズニーのもう一つの顔。」

『奈緒?そこまでにしよっか?私もう笑えない。』

「まぁ、作り話なんだけどね。ははっ⭐︎。」

『は?』

「ちゃん美優、怖がるかなーって。でも怯えてる君の顔も可愛かったぜ☆」

『…。」

「いやー、見事に怖がってくれて!可愛い所あるよねちゃん美優って。」

『ねえ奈緒?覚えてる?』

「どしたのちゃん美優?涼しい顔して?」

『スプラッターマウンテン乗りたいって言ってたよね?』

「え?」

『スプラッターマウンテン乗りたいって言ってたよね?』

「え?ちゃん美優?」

『スプラッターマウンテン乗りたいって言ってたよね?』

「RPGの村人ばりに一言一句変わらないね!?」

『スプラッターマウンテン行こっか、血飛沫上げさせてやるわ。』

「ちゃん美優、落ち着こ!その笑顔怖いって、それにその右手に持ってるバットは何?どこで拾ったの?ちょっ!ちゃん美優…。待っ…。うげあああああーーー!!!」

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