第7話 横浜帝国華撃団
「横浜の人って、"出身地はどこですか?"って聞かれると"神奈川です"じゃなくて、"横浜です"って答えるよね?」
『どうしたの?今日は横浜に嫉妬してるの?』
「嫉妬じゃないんだよちゃん美優ちゃん!」
『バイク川崎バイクみたいな呼び方しないでよ。』
「横浜生まれの人って、なんか上級貴族だと思ってる節があるじゃん?」
『あるじゃん?って言われても…。そーなの?』
「川崎はともかく、厚木や相模原まで下に見るじゃん!!」
『そんな事はないと思うなぁ。あと川崎は仕方ないんだ。』
「バイク川崎バイクは、下なんだよね。」
『バイク川崎バイクは芸人さんだからね。ややこしくしないでよ。』
「横浜ってさー。神奈川の枠組みの中にいるのに、枠外に居ますよ感が強くてさ。」
『ちょっと分かるかも。バチカン市国みたいに独立しそうだよね。』
「散々神奈川母さんが世話してくれたのに、恩を返さずに独り立ちだよ!許せると思う?」
『高貴なイメージあるのに、ほかの川崎やら湘南やらヤンチャな兄弟のせいで、横浜のイメージも悪くなるくらいだったら独立しようと思っても仕方ない事だよね。』
「そうか、やはりバイク川崎バイクがいけないんだね。」
『バイク川崎バイクは悪くないけどね。』
「でも、川崎はスラム街みたいなものだから。」
『奈緒?川崎をなんだと思ってるの?』
「湘南は海しか綺麗なものないから。」
『もっと綺麗なもの沢山あるよ!!?』
「横浜はね。なんか、そよ風の噂で聞いたけど。」
『フワッと聞いたのかな?』
「相模原や川崎。他の市の悪い影響を受けないように横浜市を守る組織があるんだって。日本政府直属の秘密防衛組織が。」
『なにそれ?なんか聞き覚えあるような言葉なんだけど。』
「組織の名は、横浜帝国華撃団!」
『おいおいマジかっ!駄目だろそれは!』
「そうだよね。神奈川全体を守って欲しいよね。」
『違うわよ!そー言う事じゃなくてね!』
「でも神奈川全体を守ることになったら、湘南消し飛ぶね!」
『なんで湘南消し飛ぶのよ!?』
「害意を持った輩しか居ないから。神奈川の地図から消えるよね!」
『湘南もスラム街なの!?』
「横浜って容赦ないよ。最終的には神奈川を飲み込んで横浜になるつもりなんだ。都道府県の神奈川の席を奪うつもりなんだよ横浜は!」
『神奈川の県庁所在地が横浜なんだから、横浜も満足してると思うよ?』
「いーや、横浜は虎視眈々と狙ってるよ!横浜帝国華撃団を作るくらい戦力強化してるんだもん。相模原なんて一瞬だよ?一瞬!」
『でも、吸収されたら私達は晴れて横浜民だよ?』
「なるほど!!!そうじゃん!!!」
『うわ、すっごい目がキラキラしてる。嬉しそうだね?』
「横浜帝国華撃団に助けてもらおう!相模原が廃れる前に吸収してもらおう!」
『相模原なんて吸収するメリットあるのかなあ?』
「トレジャーフォレストとかトレジャーフォレストとか、青山学院大学とかトレジャーフォレストとか、ほら4つも有名なものが出てきたよ!」
『私は2つに聞こえたけど。』
「横浜なんて核が落ちたら木っ端微塵じゃん!」
『相模原も木っ端微塵でしょうよ!』
「相模原は良い所だよ?ほら、空は青いし、川は綺麗だし、山は美しいし、空気は美味しいし、空は青いし」
『景色のことばかりじゃない。あと空は青いものだから。2回も言わないでよ。』
「鳩サブレもあるじゃん?」
『鎌倉にね!!!』
「相模原は魅力がたくさんあるから!吸収する価値はあると思うの!」
『まぁ、横浜が神奈川を裏切るとは思えないけどね。』
「いーや、分からないよ!フリーメイソンくらい謎の組織だからね。横浜帝国華撃団って。」
『風の噂でしょ?そんなパチモン組織!』
「相模原も組織作ろう!相模原帝国華撃団って!」
『どこ拠点にするのよ…。』
「え?決まってるじゃん!トレジャーフォレストだよ!」
『トレジャーフォレスト大好きだね、奈緒は。』
「横浜を許さない。相模食堂って定食屋を潰して横浜屋ラーメンが出来たの。私は許さない。」
『あ、それで最初怒ってたんだ。』
「相模帝国華撃団に入れたら、私の権限で相模食堂を復活させるんだ。」
『もう、勝手にして…。』
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