第6話 怖さの進撃
「ちゃん美優ー。私って怖いかな?」
『んー?怖いと言うか性格が悪い?』
「性格のこと聞いてないよ!」
『でも、性格悪いよね?』
「酷くない?普通友達に性格悪いって言いますかね!?……。別に言う人は言うか!」
『自己解決しないでよ。それに思い当たる部分あるでしょ?』
「うーん。この前、横浜線で優先席に座ってた時の話なんだけどね。」
『思い当たるどころかエピソードトークし始めたよ…。』
「横浜線の優先席って3人掛けじゃん?で、私は3人掛けの真ん中に座ってたわけよ。」
『真ん中に座ってたんだ…。』
「で、私が座って次の駅到着して、ウェイウェイしたカップルが乗ってきて、私の前に立ってたの。」
『ふむ。』
「なんで私の前に立ってるのかなーって思ってたけど、私の両隣は席空いててね。つまり、私がどちらかに寄ればカップルが座れるようになるの。カップルだし、私の両隣に1人ずつ座りたくもないだろうし。」
『まぁ、そりゃそうでしょうね。』
「でも私はウェイが嫌いなので、私がどちらかに寄ればカップルが座れる。"どちらかに寄ってくれ"というカップルの視線に気づかないフリをしてひたすら優先席の真ん中を占領し続けたのでした。めでたし、めでたし。」
『奈緒、ほんと最低だね。』
「性格は最低だけど、私が怖いって事とは繋がらないよね!」
『そうかなぁ。そもそも自分が怖いってなんで気にしてるの?』
「さっき、子どもに怖がられたの。」
『じゃあ、怖いんじゃない?』
「ちゃん美優!思考放棄しないで!なんで私が怖がられるのよ!私のどこに怖い要素あるの!」
『えー、奈緒怖いよ。そーいう必死なところが。』
「ちゃん美優ぅぅぅぅーーー!!!」
『分かったから、落ち着けって。奈緒の怖い要素ね。』
「そう私の怖い部分。遠慮しないで言って!」
『そうだなー。ルックスそうでもないのに自分のこと世界一可愛いって思ってる所。』
「…。」
『焦ってる時の走り方が、進撃の巨人の奇行種みたいな所。』
「怖いのベクトル違くないっ!?」
『レストラン入って食事してると、"これ冷凍食品の方が美味しいよね?"って大きな声で言っちゃう所。』
「すみません!もうやめて下さい!私が悪うございました!」
『え、まだ氷山の一画に過ぎないよ?』
「一角じゃなくて、一画なの?規模が分からないよ!」
『奈緒は性格が悪くて、周りから怖がられるのかー。』
「でも、そー言う人ほど大成するから。トランプさんとか。」
『誰を例に挙げてるのよ。奈緒は頭が残念だからトランプさんみたいにはなれないわよ。』
「私、外見怖いのかな?」
『中身は怖いわね。血とか黒そうだし。』
「ちゃん美優、私のことなんだと思ってるの…。」
『でも、外見はアホな小学5年生って感じで怖さから一番かけ離れた所に居そうだけどね。』
「誰が小学5年生よ!ドッジボールとかでボールの投げ方が独特な子がクラスに1人や2人居たりするよね!」
『どさくさに、小学5年生あるあるを入れてこないでよ。』
「私はボールを両手でしか投げれなかった。」
『サッカーのスローインね。投げ方が独特な子の1人だったんだ奈緒。』
「軽く怖がられてたよね。なんで片手でボール投げれないのかって。」
『やっぱ奈緒は外見とかじゃなくて、行動で怖がられるのかもね。』
「はいぃーーー?」
『子どもに怖がられたって言ってたけど、どんな状況だったの?』
「お腹痛くなってきたからコンビニまで全力ダッシュしたの。そしたら子どもが私の方を指差して震えていたの!」
『それ、進撃の巨人の奇行種みたいな走り方をしてたからだよっ!!!』
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