第11話
「お前のところに、いとこの女の子が来てるんだって?」
会社で食事をしていたら、同僚に声をかけられた。
どこから、そんな入手してくるんだか・・・
「まあな」
「いくつだ?」
「18歳だ」
「何のために?」
「受験」
適当に答えておいた。
女子社員が、ひそひそと話をしている。
女っていうのは、どうしてこうも、噂話が好きなのか・・・
母親が世間体を気にするのは、若いうちから培われているかもしれないな・・・
「いとこさんの、食事はどうしてる?」
「俺がやってる」
「男なのに?」
「一人暮らしの、男性の女子力をなめるな」
俺は、実家暮らしなので、家賃はかからない。
贅沢しなければ、十分に生きていける財力はある。
ひとりくらいなら、養える。
(・・・って、生活費は香耶ちゃんの両親から、もらっているが・・・)
「いいよな。俺はアパート暮らしだから、贅沢できなくて、食事も偏る」
「彼女につくってもらえ」
「とっくに、別れたよ」
「なんで・・・って、そこは踏み込んではならないか・・・わるい」
「いや、聞いてくれ」
「なんでだ?」
「向こうの不倫。今は慰謝料請求中」
大変なんだな・・・
俺は、彼女いたことないけど・・・
そこへ、ラインが届く。
「誰からだ?」
「さっきはなした、いとこの香耶ちゃん」
「なんて?」
「『お昼、ありがとう。美味しかったよ』」
「お昼、用意してたのか?」
「ああ。少しでも勉強に集中させたやりたくてな」
「お父さんしてるな」
「まあな」
さてと・・・
今日は、何を作ってあげようか・・・
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