第2話
「で、いきなりどうしたの?」
「第一声がそれ?」
「うん」
「他にないの?お兄ちゃん」
「何が?」
「『綺麗になったね』とか、『大きくなったね』とか・・・」
面倒だが、まあ感動しておこう。
「すごく可愛くなったね。大人っぽくなったね。お兄ちゃん、嬉しいよ」
「うん」
「これでいい?」
「まあ、我慢しておく」
我慢って・・・
「で、どうしたの?急に」
「どうしてだと思う?」
「綺麗だから、家出じゃないよね?」
「オフコース。両親の許可は得ています」
ありがちな展開だが、一応聞いておこう。
「『こっちの大学受けるから、受験勉強させてほしい。』だね」
「大正解、おじさんとおばさんから、聞いてるんだね」
「いや、初耳」
「どうしてわかったの?エスパー」
「いや、面倒くさいから」
「ふうん」
まあ、立話もなんだし、家に入れた。
「懐かしい。」
香耶ちゃんは、大声を出すが、彼女からしたら、久しぶりだもんな。
ちなみに、両親から連絡が来たのは数日後。
メールをしたら、「タイムラグだ」と言ってた。
香耶ちゃんのご両親、つまり、僕の伯父と伯母からの手紙にも、そに峰が書かれていた。
ちなみに、親の兄や姉の場合が伯父伯母で、両親の弟や妹の場合が、叔父と叔母になる。
読みは同じなので、漢字も同じでいいのに・・・
香耶ちゃんは、父の姉の子だ。
どうでもいいが・・・
「香耶ちゃん、こっちに来て」
「何もしないって、約束出来るなら」
「何もしねーよ。香耶ちゃんの部屋に案内するだけだ」
「何だ。つまんない」
お前な・・・
「この部屋、妹の部屋だけど、ここ使って」
「お姉ちゃんの?元気にしてる」
「くたばったという連絡ないから、生きていると思う」
「今、どこのいるだっけ。結婚して海外に行ったとは聞いたけど」
「グレートブリテン及び北部アイルランド連合王国」
「すごい」
「から、ユーロトンネルで渡った先の、フランスのパリ」
固まってる。
「お兄ちゃん、楽しい?」
「わりと」
「パリか・・・香水ほしいな」
「じゃあ、送るように頼んでみる」
「本当?」
喜んでいる。
妹はそのまま出て行ったので、必要なものはある。
ただ・・・
衣類だけは、買ってあげた方がいいだろう。
「あっ、私の分のお金は、振り込むって」
「月末だろ?衣は買ってやる」
「ありがとう。明日はショッピングだ」
受験生だろう?
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