うさぎと暮らす1

うさぎを飼っている。

2LDKのアパートの一部屋はうさぎ部屋だ。


一緒に暮らして4年ほど。ヒト以外の生物を身近に置くと、こんなにも新たな発見が絶えないのかと驚いている。


まず、かわいい。

うさぎ、とてもかわいい。


新たな発見とか偉そうなこと言っても、あのフカフカの毛とつぶらな瞳とキュートなあんよとセクシー&チャーミングなしっぽの前には、どんな言葉も色褪せる。


可愛すぎるがゆえに、まだ元気な今のうちから、いつかくる別れを想像してしまうのは歳のせいか。


ペット用の葬儀場で火葬して自宅の祭壇に遺骨をおく風景も当たり前になっているが。


ふと、まだ温もりのあるうさぎのふくふくした頬をマッサージしながら、その奥にある小さく脆げな頭蓋骨を感じるときに考えてしまう。


うちの子の亡骸の、毛皮を剥いで頭蓋骨を取り出して、それを遺せないものだろうかと。


別に解剖とか骨格に特段の興味があるわけではないけれど、人の代に倣い骨を灰にしなくても許される君であれば。


その一部を形あるままそばに置かせてもらえないかと考えたりする。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る