第45話 契り1
2分後、キシにとっては4年振りに帰ってきた宿舎。
しかし、懐かしんでいる場合ではなかった。
「キシぃ、わたしの部屋でお願い……」
レイはキシの耳元でそう囁いた。
その時、キシはあることに気づいた。
レイの額からは鬼の角が出ていたのだ。
しかし、あのときの戦いとは全く違い、何も危険な感じはしない。
何よりも不思議なのは、角から発せられる鈍い光は何故か少しだけ赤くなっていることだ。
色々考えられる事はあるが、キシの耳元で甘い吐息が聞こえてくる以上は集中できるはずもなく、キシは少しずつ欲に溺れていく顔になりながらレイの部屋へと向かった。
「着いたぞレイ」
「じゃあわたしのベットに座ってよ」
もうこの先何が待っているのかはキシもわかっている。
キシはベットへ向かい、ドスッと座った。
レイもベットに座るとキシの隣に座り、肩を密着させた。
「ねえキシ。何故わたしがいま額に角が出ているのか知りたいんでしょ?」
「あ、ああ」
「それはね、わたしのような鬼の血を引いた者の特徴なんだぁ。好きな人と一緒にこういう雰囲気になると、本能的に出てきちゃうんだよ。だから、鬼の力を持っているキシもいつの間にか出てくるよ」
レイはお構いなくキシの唇を奪っていく。
唾液が絡まる音が2人だけの空間に響き渡る。
もう、キシは我慢できなかった。
キスをしたままレイを押し倒し、顔を離すとレイの顔を見つめた。
するとレイはキシの額から出ている物体を指先で撫でた。
「くっ……あっ……」
するとその物体に触れられた瞬間、全身に膨大な快楽感のようなものが伝わり始め、キシは体を震わせた。
「ふふっ、キシがこんな表情するところ初めて見た……」
「――――じゃあ仕返しだ!」
キシは反撃に出た。
レイの額から出ている角に触れ、
「あっ……! そ、そんなに擦られたら……んっ、はっ!」
キシがレイの角を擦った瞬間、レイは快楽に溺れたような表情に変わり、ビクビクと体を細かく震わせた。
あまりの気持ち良さに、レイの股は徐々に濡れていった。
「レイ、そんなに気持ちよかったのか? こんなに濡れちゃってるけど」
「もう、キシがあんなに擦るから……!」
「だってあんなの見せられたらもっと見たくなるじゃないか」
「キシって結構エッチなんだね」
「それはレイも同じなんじゃないのか?」
キシにそう言われるとレイは腕で口元を隠し、視線をそらした。
そんなところも愛しく想ってしまうキシは、さらに加速していく。
「なあレイ、俺もう我慢できなさそうだ。これ以上いったらもう取り返しつかなくなるけど、良いか?」
「良いよ……。キシともっと先まで行きたいから……」
「本当に良いんだな?」
「うん……!」
レイはコクリと頷いた。
キシは早速、レイの服に手を付け始めた。
すると、いつもと違う感じがした。
「――――もしかして、本当の和服仕様に変えたのか?」
「うん。前世の記憶を全部取り戻せたから、記憶を辿りながら設計図を作って職人の人に特注で作ってもらったの」
「そうか……。なら最初は帯からか。ちょっとだけうつ伏せになってもらっても良いか?」
レイはキシに言われた通り仰向けになると、キシは帯に触れた。
和服を再び見られるなんてもうないと思っていたキシは、懐かしみながら丁寧に帯を解いていく。
帯は何回にも巻かれているため、一旦仰向けになってもらい、腕を体に回す時は背中を浮かせてもらいながら解いていった。
それを4回繰り返してやっと帯が全て解けた。
レイの下着が露わになった。
流石にさらしではなく、普通のブラジャーにパンツだった。
「待って、今外すから……」
レイは背中に手を回し、ホックを外す。
そして外すと……大きくもなく小さくもない良い形をした胸が姿を現した。
レイはそれにとどまらず、残りの下着も脱ぎ全身が露わになる。
頬を赤くし、キシを見つめた。
「――――」
「――――本当にレイは大人になったんだな」
「そ、それはそうでしょ! だってあれから4年も経ってるんだから」
「じゃあ俺とは2つしか違わないのか……」
「えっ? キシはもう20歳超えてるんじゃないの?」
「どうやら死後の世界は時が止まっている状態らしい。だから俺の顔なんて当時のまんまだろ?」
キシにそう言われ、レイはキシの顔をまじまじと見たり、顔をぺたぺた触ったりして確かめる。
「確かにそうかも知れない。そっかぁ、キシと2歳しか違わないんだ……」
レイは今まで年の差が6つも違ったせいもあり、周りの目を少しだけ気にしてしまうことがあった。
しかし今はキシとは2歳しか差がない。
これなら周りの目を気にする必要はないし、なによりも、
「キシに遠慮する必要はないよね!」
「遠慮って……。レイの今までの行動を見たらそんな感じはしないけどな」
「そう? これでも遠慮がちだったんだよ? でも、歳が近ければもっと積極的に行ける……」
「――――!」
レイはそう言うと、自らキシの唇を奪った。
それにとどまらず、レイはキシの口の中に舌を入れる。
突然今まで以上に積極的になりだしたレイに驚くキシだったが、彼は目を瞑ると舌を絡めた。
そしてキシは上半身の服を脱いだ。
「――――ぷはっ! はあ、はあ……。ふふっ……。キシの体ってすごいたくましいね」
「そうか? 結構細い方だとは思うけど……」
「それはこの世界だから。わたしと同じ日本人としてはたくましい方だよ」
「そ、そっか……。そう言うレイもすごく綺麗な体してる」
「あ……ん!」
キシはレイの胸に触り始めた。
手のひらから柔らかくて形の良いものが伝わる。
レイは触れられた胸から快感が全身に伝わり、さらに甘い吐息に変わっていった。
「レイ……」
「なに?」
「俺……あの時、レイを助けて良かったなって思ってる」
「急にどうしたの?」
キシはレイの胸から手を離すと、レイの耳の横に手をつき四つん這いになる。
「あの時は前世の俺に似ていたから、何とかして助けてやれないだろうかという理由だけでレイに話しかけたけど……レイと出会ってから色んなことを知れたし、なによりめちゃくちゃ楽しかった。だから、あの時レイに話しかけたのは間違いじゃなかったんだなって……」
「キシ……」
レイの手を見つめながらかすかに微笑むキシを見たレイは、キシの頬に手を添えた。
「レイ?」
「わたしも最初はそうだった……。急に話しかけてきたから、何だこの人って。でも、キシに出会ってから何もかもが変わったよ。あの時どん底に落ちていたわたしを笑わしてくれたし、わたしの我儘に文句一つ言わないで付き添ってくたり、一番はわたしが日課にしていた除霊を依頼にしてくれたことかな。だから、自然とキシに惹かれていったの……」
レイはキシの頬に手を添えたまま、キシに短いキスをした。
そして、顔を離すと彼女は満面の笑みを浮かべた。
それを見たキシは目を見開いた。
そう、彼はこれを見たかったのだ。
レイが笑っている顔は、誰と比べても一番似合っている。
4年という長い時を経て、再びこの表情を見れることが、彼にとって一番嬉しいことなのだ。
キシは彼女に優しく微笑んだ。
するとレイはキシの頬から手を離すと、今度は耳の横にあるキシの手に触れた。
そしてまた頬を赤くすると、
「続き、しよ? キシだって我慢の限界でしょ? キシも全部脱いでよ……」
レイにそう言われ、キシも服を脱ぎ始めた。
キシの体は決して筋肉質、というわけではない。
細身で、弱々しい体型をしている。
「へえ……。キシって意外に細身なんだね」
「わ、悪いかよ?」
「ううん。わたしはそんなこと気にしない。わたしはキシの全部が好きだから……。――――そこもまあまあって感じかな?」
「――――っ!」
レイはキシの体を見た後、自然とキシの息子さんが目に入った。
キシは視線をそらしながら目を細めて照れ隠しをする。
そんなキシを見て何だか可愛いと思ってしまうレイ。
そして今度はレイが攻めた。
「――――っ!」
「ん――――あ、すぐに元気になった」
レイはキシの息子さんに触ると口に咥えた。
レイの舌が当たることで、キシの体に変な感覚が全身に伝わる。
それに最初からこんな気持ちになってしまっているため、すぐに息子さんは元気になった。
「じゃあ……レイ良いか?」
「う、うん……。来て……。あっ! い、痛い!」
キシはレイに覆いかぶさると、キシの息子さんはレイの秘境へと侵入を果たす。
レイは痛みが全身に伝わり、苦しそうな顔をしながら体をビクリと震わせた。
「じゃあレイ、俺はしばらくこの状態にしておくから、慣れてきたら教えてくれ」
レイは痛みにもがいているため、コクリと頷くだけだった。
時間が少しずつ経つにつれて、レイの体も慣れていく。
ちょっとずつだが、顔の表情も和らいできた。
「もう、大丈夫そうか?」
「うん、もう慣れたみたい」
キシはレイに確認を取ると、体を動かし始めた。
レイは体が慣れたおかげで痛みから快感へと変わり、頬を真っ赤に染めながら激しい声を出す。
「――――レ、レイ。俺もう……」
「あっ! 良いよ……出して!」
「――――行くぞ!」
「――――っ!!!!! はあ、はあ……」
キシは体の動きを止めると、ゆっくりとキシの息子さんをレイの秘境から抜け出す。
その時も、レイは体をビクリと震わせた。
「レイ……すごく良かったぞ」
「わたしも……すごく気持ちよかった……。ふふ、もうこんなに出てきちゃった。そんなに気持ちよかったの?」
「ま、まあ……」
キシとレイは顔を近づけてキスをすると、キシは顔を離し、近くに放り投げられた服に手を伸ばそうとした。
「待って」
「ど、どうしたんだ?」
「わたし……まだまだ足りない」
「は、はあ?」
「もうちょっと付き合って……良いでしょ……?」
レイは服を取ろうとするキシの腕を掴むと、上目遣いでキシにお願いをする。
流石にこれ以上は……となることはなく、結局2人は満足するまで何回戦も繰り広げられた。
終わった頃には2人とも疲れ切ってしまい、そのまま眠りについてしまった。
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