最終話 「また新しい月曜日に約束を」
翌日。また新しい一週間の始まる月曜日。
両親が仕事で不在でも自炊はする成行。そうは言っても、朝食はクロワッサンにハムエッグ、それにヨーグルトという
朝食後、制服に着替えて、通学鞄を手にする。時間には余裕を持って行動する派の成行。そんな彼にとって、朝はそこまで慌ただしいものではない。
玄関を施錠して、家の敷地外へ。すると、そこには思わぬ人がいた。
「見事さん・・・」
家の前で見事が待ち構えていた。無論、制服姿。すると、わざわざここまで来たというのか。
「何で見事さんが―」
成行が話しかけようとすると、見事はふくれっ面で話し始める。
「勝手に決めちゃうから・・・」
「あっ・・・」
成行は昨日のうちに、見事と雷鳴へ話をしておいた。自分が執行部に入ること。それを自分の意志で決めたことも。
「ごめん。ちゃんと相談したかったんだけど・・・」
「それはわかってるけど・・・」
言葉が途切れる見事。彼女は何か言いたげだ。
見事と雷鳴へ連絡する前、八千代には執行部入りを決断したことを伝えておいた。彼女は事前の相談通り、成行の決断したことに関してフォローをしてくれた。そのおかげで、昨日は話が
「ごめん、見事さん。その、何て言うか、無茶はしないようにするよ。まだ、僕は魔法使い初心者だし、学ばないことも沢山あるから。何かあれば見事さんを頼るし、雷鳴さんや、いいんちょにも相談する」
「わかった。無理しないでね。約束よ?」
「うん。約束」
成行は右手の小指を差し出す。
すると、頬を赤くする見事。彼女も右手の小指を差し出し、成行の小指にからめた。
「絶対だからね」と、恥ずかしそうに言う見事。
「うん。約束だよ」
成行もはにかみながら言った。
「じゃあ、学校へ行こう」
成行はそのまま見事の手を握る。
「えっ?手を繋いでくの?」
小さい声で言う見事。
「いいでしょう?ちゃんとエスコートします」
成行は歩き始めた。
「じゃあ、お願いします・・・」
薄っすらと赤く染まった頬の見事。二人は手を繋いで稲城駅へと向かうのだった。
「無茶を言う赤鬼さんと、突然やって来る黒髪ショートクラス委員長編(旧:東日本魔法使い協会執行部編)」 完
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