たくと思い出のカレー店

たくが独身だった頃の話です。彼が当時働いていた会社の近くに、一軒のカレー屋がありました。


お店の名は「夢幻」で、高齢の頑固そうなおじいさん店主とその奥さんが二人で店を切り盛りしていました。



その店のカツカレーのカツが揚げたてでカレーも美味しいとたくはその店の虜になりました。お昼休みに店が混雑していても、頑固な店主は注文を受けてから揚げるので時間がかかる事が多少難でしたが、それでも多いときは週三〜四回通っていたそうです。




そんなある日、会社近くに一匹の野良猫が現れるようになりました。



職場の女子社員はたくの行動を見てか見ないでかノラ猫を見つけるとは側に行って、たくが行きつけだったカレー屋さんと同じ名前をつけ

「ムゲン、ムゲン」と呼んで可愛がっていました‥‥



カレー屋夢幻は二人が高齢だった事で店を続けるのは困難になり今はもうありません。しかし、たくは未だにこの店の味が忘れられず時々、この店の事を思い出すのでした。


終わり

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