お義母さんの思い出の一つ

たくのお義母さんは膠原病、乳がん、大腸がんと大変な経験をして亡くなりました。高齢になってからは殆ど歩けなくなり、デイサービス等外出する時は車椅子でした。しかし出来れば自分で歩きたいと思う気持ちが強く、車椅子は恥ずかしいからと言って余り使わなかった。



一緒に住んでいたお義父さんは亭主関白な気質で面倒は見るが一言多く、動けないお義母さんにやってやってる的な言葉や介護は大変だと時々口に出して言っていた。そう言うときたくも絡んで三人は喧嘩する時があった。だからたくはお義母さんが生きていた頃はいろんな事をして、彼女の好きだった物をよく探しに行き、てこもそれに付いて行きました。



昔はたまに県外にライブを観に行っていたので、愛知方面に行った時はお義母さんの好きな「赤福」を空港に行って買いに行ったり、違う日は穴子が好きなのでお土産屋さんで「穴子ロール」サキイカみたいな感じの物?の歯が弱いので柔らかいのを探し回ったり、

「お袋は昔、よくスーパーで穴子を買ってきては料理していた」と現地のスーパーなどで探し回った。しかも穴子の大きさはよくパックで売っているウナギ位の太さではなく鉛筆位の細い穴子らしいが、私にはよくわからずたくも食べないので結局見つから仕舞いだった。



ある日、家族で旅行に行こうという事で、たくはお義母さんに喜んでもらおうと穴子料理が沢山食べれる店を探して予約した。(三人は好き嫌いが多くて自分の好きなものしか殆ど食べず、たくと義父は穴子は食べないので他は別のメニューを頼む)



旅行に行って食事の時間、並べられた何種類ものアナゴ料理を目にし、お義母さんは食べる度にまずいとか硬いと言って殆ど食べず、てこに食べない料理を勧めた。

その事にてこは当時はモヤモヤしていたが、今自分も病気になって、体が弱り何種類もの薬を飲んでいたら副作用で料理もあんまり美味しく無いのかもしれないと思った。



足の弱いお義母さんの為にたくは筋肉を作るというゼリー状の健康食品を一箱買ってきてお義母さんにあげた。それからびっくりするくらい素早く車椅子への移動ができて、それを見てたくは色々ドラッグストアを回って同じ物を買いだめしてあげた。



でもある日、「お母さんが骨折した」というお義父からの電話がきた。お義母さんは家で転んで骨折した、筋肉は良くなっても骨が弱かったんだと‥‥

それだけじゃ駄目なんだと、どっちも強くして色々気をつけなければならないと思いました‥‥



終わり

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