ある試合の抜粋 お題:右の狂気 制限時間:15分

顔に拳を喰らいのけぞる。

後ろに倒れ込みそうになる所をなんとか踏ん張る。

拳を当てた側はさらにもう一撃を喰らわせようと、

拳を振り上げる。

拳を当てられた側はその拳から逃れるために、

後方へと飛んで回避した。

倒れ込みとは異なり、直ぐに体制を立て直す。

そして拳を空振りした相手に逆襲を開始した。

空振りした事で隙が出来た肩、脇、腹に

連続で拳を打ち込んでいく。

その拳は相手を大きく揺さぶり、さらなる隙を生じさせる。

そこからはもう一方的であった。

相手はもうろくにガードする事も出来ず、

もはやなんとか立っているのがやっとの状態まで追い詰められた。

もう誰の眼から見ても決着はついていた。

だが、それでもまだ拳を打ち込んでいく。

最後は右のストレート。それで動かなくなった。


のちに狂気の右と称される事になる事件だった。

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