物陰から身を乗り出し通りを見渡していると、

何か光ものが見える。

矢だ。矢が飛んできた。

飛んできた矢をギリギリまで引き付けて最小の動きで回避する。

ビュンと風切り音が耳元でする。

ただ回避するだけで無い。回避する時に拾い上げた小石を矢が飛んできた方向へと投擲する。

当てるつもりでは無い。小石を投げつける事で、相手に少しでも動いてもらい、その音から位置を割り出そうと試みたのだ。

小石を投擲してから数秒後、音はなった。

ガサガサと何かが動く音だ。

しかし音が大きすぎる気がする。

まるでわざとこちらに聞かせようとしているかのようだ。

そんな疑念を抱いていると不意に悪寒が走り、上を見上げるとそこにやつがいた。

矢を放ったやつだ。

そしてそれが決めてになり私は負けた。

「やったー。わたしの勝ちだね！

約束の通りにこのアルパカの毛布貰うね。ありがと！」

「勝ったら上げる約束だしね。大切にしてね。」

「うん！」

2人は仲良し。

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