☆夜中に求めるもの お題:求めていたのは道のり 制限時間:15分
「お腹減ったなぁ」
一人の人間が夜中に独り言を言っている。
「焼肉食べたいなぁ」
夜中にしかも明日も仕事だ。
無理なのはわかっている。
それでも欲望は抑えきれないようで。
「食べ放題とかいいなぁ」
スマホで焼肉店のメニューを眺めて妄想に浸っている。
しかしそんな状況に変化が現れる。
突然部屋の上部が光り始めたのだ。
「な、なにごと!?」
驚きのあまりスマホを落とし、光りを見つめるていると光の中から声が聞こえてきた。
『哀れな人間よ。あまりにも悲しい醜態故にお前の願いを叶えてやろう』
その声はまるでこの世のものとは思えない奇妙な声だった。
「まさか今のはもしかして神様ってやつなのか?」
突然のことにスマホを拾うのも忘れて、聞き入っていると光の中から別の光が飛び出して腹部に当たり始めた。
変化はたちどころにあった。
「お腹が満たされている!?」
そう、満腹になってきたのだ。これこそは神の奇跡か。
だが最初こそ喜んでいたが、最後には寂しそうな表情を浮かべていた。
その訳とは。
「求めていたのは満腹じゃなくて味わいなんだよなぁ」
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